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修理代一千万円 [日記、雑感]

 この記事は10月31日に書きかけたものに加筆した。 

風邪がなかなか治らない上に連日の夜間作業あり,だめ押しついでに無視できない売り掛けの長期案件が続き,ここ一週間くらいの間俺の心象風景は大変良くない。
 
 昨日夕方から今日にかけて,俺は中学の同級生と色々,お互いの近況について全体にダークな会話の時間を持った。
 どうも最近,世の中全般にお金がらみのトラブルが増えているらしい。特に俺が棲息しているような最底辺層は人心の荒み方が加速しているような印象を受ける。
 何事によらず,人間貧しくなってくると浅ましくなったり愚かになったりするもののように日頃俺は考えている。一つ一つ例を挙げていくと気が滅入ってきそうなのでここでは書かない。

 不気味なことに,個人的にも公的にも身辺の不条理や人心の荒み方が段々劣化の度合いを深めていくことにまわりの誰も不安や怒りを表さないように見える。

 同級生とのやり取りでは金払いの悪い得意先を何とかとっちめて回収を済ませられないものかという話題が熱を帯びた。
 資金繰りが大変で全額支払が厳しいので今月は半金で勘弁してくれ,というのはまだ信用して良いとして、仕事の催促だけは一丁前にする癖にいざ支払の段になるとびた一文の支払もしないままいつまで経ってもノラリクラリしてすっとぼけ続ける野郎というのは本当に頭に来るもので、いっそのこと懲役上等で世のため人のためにこういう社会の黴菌みたいなクズ野郎はぶっ殺してしまった方が良いのではないかと思え,頭に来て夜眠れなくなるという点で彼とは一致した。

 このブログにはそういう類いの輩との顛末が記事としてあり,経験談のようなことをその同級生に話すと彼は「俺も同じようにしてやってやる!」と意気込んで帰っていった。

 実は今,俺には一件長期の売り掛けがあり,この人物を痺れさせてやろうかと俺は毎日イライラした日々を送っている。過去,自分で書いた記事を読み直してみてまだ記述が不十分だったな,とかこれがわかっていながらどうして俺は何度もけしからん輩に引っかかるのか,とか考えながら同級生が来訪した日の俺はムカムカしながら寝た。

記事名:支払を拒む奴の挙動を分析
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-09-14

 その翌日,彼は少々興奮気味に俺の家に現れた。
彼も俺と同様血圧の高い一夜を過ごしていたらしい。明け方近くにようやく眠りについた彼の夢に俺が現れたという。
 彼が語るところによると夢の中での俺は何かの修繕を済ませた後に一千万円なりの修理代を請求し,逆上した彼は俺を滅茶苦茶に叩きのめしたのだそうだ。
 俺のような稼業で一千万円の修理などあるわけはない。あったら俺は毎年税務署対策で頭痛につきまとわれること必死だが幸か不幸かそいうことは俺の人生にはない。

 支払を誤魔化す輩同様,修理代を吹っかける奴も大問題だが、夢の中とは言ってもどうしてそういう類いの登場人物が俺なのか。

 後日談として,彼は相手方に内容証明郵便の送付を告知してネジを巻き,即日入金を勝ち取ったのだそうで俺は昼飯をおごってもらった。他人事ながら俺は単純に嬉しいと思う。
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迷惑千万なiPhoneの設定 [日記、雑感]

 ここ数ヶ月,俺の携帯電話であるiPhone 5cにはおかしな現象が起きていて商売上深刻な問題をもたらしている。
  
 俺宛に電話をすると何かしら俺が通話できない状態にある旨のアナウンスがあってすぐに切れてしまうのだと相手方は言い、それも一人や二人ではない。
 続けて2回ダイアルすると普通に繋がったという話を俺は複数の方々から伺った。

 俺は貧乏だが毎月の電話料金くらいは普通に遅滞なく支払っている。
それがこんなことではまるで俺の商売が左前で,この稼業を畳んでしまったのではないかとか,悪いことをやって警察にパクられたのではないかだとか,或いは健康を害してどこかの病院にでも入院中なのではないかだとか,他にも色々悪い連想が働くだろうことは想像に難くない,とにかくイメージダウンは避けられない。これは商売上,まさに死活問題で,事実,こういう不調が原因と思われるのだが俺はこの問題が顕在化してから得意先から袋叩き状態にある。俺に愛想を尽かして離れていった得意先も一件や二件ではないだろう。全くもって心外というか,迷惑千万な話だ。
review-the-iphone-5c.jpg

 今から考えると8年前に俺には色々,ついていない出来事が重なって俺の商売はピンチに陥ったことがある。
 何とか廃業だの自己破産だのは免れて現在に至ってはいるが,物事には何かしらの周期があるらしく,今回の携帯電話に限らず最近の俺の身辺には縁起でもない出来事が増えつつあるのだが、この携帯電話の不調は本当に問題で,こんな状態が続いていたのでは俺は全ての得意先を失ってしまいかねない。
 
 俺とてこの問題を漫然とやり過ごしていたわけではなく,これまで一年近く携帯電話のキャリアに相談して色々試みてはみた。
 やれSIMカードを差し直せだの一端電源を切ってリセットしてみろだの言われたことを一通りやってはみたがどれもうまくいかない。
 そんな試行錯誤を続けている間にも得意先や知人からの苦情は絶えず,正直なところ俺はAppleという会社にただ事でない怒りを覚えるようになった。

 たまたま今日,少し時間が空いたのでネットで「AU」、「iPhone」,「着信の不調」というキーワードで検索を書けてみたら出てくる出てくる。
 原因は幾つかあるが,思いあたるフシがあったのはお休みモードという設定項目がアクティブになってはいないかというもので、これは就寝中などに電話の着信で起こされないように一回目の着信は拒否する機能なのだそうだ。
 確かに,二回かけると普通に繋がる旨のことを複数の人から指摘されたことがあるので自分の携帯電話の設定画面を見てみると確かにその項目がアクティブになっている。
 自分でこの項目を設定した覚えはないのだが、たしかOSのバージョンアップ後からこの不具合が出てきたような気がするからこれは初期設定としてそうなっているのかもしれない。

 この設定変更で問題が解決可能なのかどうかは今後の電話の働き方次第なわけだがしかし,重ねて言うが迷惑な話だ。
 ここから先は俺の商売にも関係する話になるが,俺はどうもコンピューターの制御とかディジタルエレクトロニクスとかいったものに全幅の信頼を置けないでいる。
 これらの勉強を俺は若い頃学校で多少はしたので,同年代の同業者よりは幾らか明るいのではないかと思ってはいるのだが,なまじ勉強しただけに余計信頼し切れない。
 こういうテクノロジーというのはコストダウンのためのものであって信頼度はむしろ損なわれていく。ソフトウェアなどという実体のないものが絡むと余計不安定になるものだと日頃俺は考えていて,ことある度に自分の得意先に言って聞かせるが全く受け入れられない。コンピューター仕掛けやエレクトロニクスが無条件で完全無欠に有り難いものだと思い込むのは世の中に蔓延る大きな誤解だと思う。

 効果の如何はさておき,こうしてネットの検索で解決法を探し出してみてあらためて思うが,修理のありようもいつの間にか大分変わってきた。
 原理を学び,物理量を測り,そこから良否の判定を行って所見と対応策を出すという手法はこういったコンピューター仕掛けの機器類には通じないことをここしばらくの俺は実感している。
 妙なインテリジェンスを持つ(一見そう見える)機器類はネットを始めとして手探りの結果が集積されたもののうちから使えそうなものを拾い出して一つずつ当てはめていくようなやり方しかなさそうだ。結果としてそれは(因果関係はわからないが総とっかえみたいなことをしたら直ったんだからそれでいいじゃん)という曖昧さを修理屋も使用者も受容せざるを得ない時代になってきたということなのかもしれない。
タグ:iPhone au
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睫毛がなくなる時 [日記、雑感]

 俺の仕事っぷりなどというのはもう,年がら年中ヘマの連続でしかない。仕事をしくじるばかりでなく肉体的に痛い目にも遭う。
 そういえば丁度一年前には作業場のシャッターに頭をぶつけて俺はブッチャーになった。
2014年12月2日,きっかり一年前ではないか。

関連記事名:視界にアークが飛ぶ時
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2014-12-02

その時の画像
IMG_0097.1.jpg


 去年は頭頂部で今年は顔面と来た。
本日俺は仕事中に顔面を火傷したのだ。今でもやけに顔面がヒリヒリする。
経緯はこうだ。

 俺は仕事が押し気味で,夕方某病院でガス式の回転釜をいじっていた。本来その病院では炊飯器の修理が用件のはずだったのだが追加で急遽,問題の回転釜の不調を伝えられた。その後別の病院でのライスボイラーの修繕が控えていたので気が急いており、少しばかり浮き足立っていたのは間違いない。

 問題のブツは服部工業製のガス回転釜で,俺が勤め人だった頃に納めたものだ。
当時服部のラインナップ中では最も上のグレードで,オールステンレスで三重バーナーの集中化力制御(三ついっぺんに火力の強弱が可能),メインバーナーへの着火は点火棒ではなく,イグニッション点火式のパイロットバーナー付きというものだ。

 不具合の内容というのはパイロットバーナーへのイグニッション着火が良くないというもので、目視しながら触ってみるとスパークロッドの取付けビスが緩んでおり,放電ギャップ長が不安定なためだと容易に所見が確定した。

 事故には大抵,そこに至る必然的な要因が幾つも重なり合っているものだと今回痛い目にあって俺はつくづく思う。そして事故を引き起こす決定的な要因は本人の不注意だとも思う。
 先に書いたようにその次の修理先のことが気にかかっていたことの他にも,事後になってみると色々思いあたることはあるのだ。
 *ここしばらくややこしい工程の修繕が続いており,燃焼器具を扱うことに緊張感が欠けていた。
 *風邪が抜け切っておらずに普段以上に鼻が効かない。
他にも色々あるのだろうがとにかく油断が最大の原因だろう。パイロット管を取り外して緩んだビスを締めておしまい,10分かそこらでケリがつくだろう,ちょろいもんだ,そんな油断が最大の落とし穴だ。 

 俺は不注意でガス配管接続の元バルブを閉めずに作業していた。
接続箇所からの配管はヘッダーを介してパイロットバーナーのガスコックとメインバーナー3個分のガスコックに分岐される。 
 そして俺は作業中に何かの弾みでメインバーナーのガスコックに身体のどこかを当てたことで未燃焼のガスがノズルから出続けることになった。風邪が抜け切っていない俺はガスの臭いが気づかないでいた。
 そして不具合箇所の補修が終わって配管を取付け直し,着火試験のためにイグニッションのスイッチを入れてアークが飛んだその瞬間,滞留していたプロパンガスが一気に引火した。
ぼん

 と,爆発音がして視界が全てオレンジ色一色に塗りつぶされたようになり,顔面が引き攣れたようになって焦げ臭い臭いが鼻を突き,俺はむせ返りながら『これを忘れていたのか!俺は間抜けだ』と慌てて器具接続のガスコックを閉じた。
 
 ガスの火は消えたが俺の周辺には煙が立ちこめていた。被っていたキャップや俺の髪の毛が燃えたからだ。
 俺は辺りを見回して人気がないことを確かめてからトイレに向かい鏡に映る自分の顔を覗き込んだ。顔が全体に赤いのは軽度とは言っても顔面を火傷したことを示しており、上唇には火ぶくれが出来て薄い皮みたいなものがめくれ上がっていた。
 頭に手をやると燃えた髪の毛が粉末状にぱらぱらと落ちた。ヒリヒリする顔面を手で撫でるとこれまた燃えたヒゲや眉毛がぱらぱらと落ちた。瞼が引き攣るような違和感があって目の周辺を触ると上下の睫毛が焦げてくっついているせいらしく,瞼全体に何か違和感があって目の中がゴロゴロする。きっと焼けて粉末状になった睫毛が目の中に入ってしまったのだろう。

 バカなことをやらかしたもんだ,と顔を洗いながら自分がイヤになった。
幾つになってもこういう間抜けなことをやらかす。こういうトンマな性癖はきっと一生治らず,いつかどこかでまた痛い目に遭うのだろう。もしかしたらそれは命に関わるような出来事かもしれない。

 その病院を出て次の仕事先で顔が剣山でこすられているように痛いのを我慢しつつ何とか片付け,帰宅してから風呂に入り,ゴロゴロする目が気になって目薬を注してみると猛烈に染みるような刺激があり痛かった。

 時間を置きながら目薬を注しを繰り返しながらこの記事を書いてもいるわけで,視覚に異常はなさそうだがしかし何度やっても痛い。痛いながらもこれを繰り返していればそのうち治っていくのではないかと根拠もない思い込みに凝り固まりながら目薬を注し続けることにする。明日は眼科にかかってみることにする。
 あらためて鏡を覗き込んでみると俺の睫毛はあらかた燃えてなくなっている。
睫毛の役割とは目玉に異物が入り込むのをガードしているのだと子供の頃にどこかで教わった気がするがこんな風にしてそれを実感するとは思わなかった。そんな場面はないにこしたことはないのだが。
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『西洋料理六十年』を読む [日記、雑感]

 この記事は11月の始め頃,風邪をひいて寝込んでる最中に寝床に潜りながら書いた。

 歳のせいか一回風邪をひくとなかなか治るには時間がかかり,仕事の内容も押さえ気味になる。
寝床に潜り込んでじっとしていても退屈なので,腰を据えて本でも読もうかと以前から気になっていた田中徳三郎氏の自伝を古書で探し出して取り寄せた。


西洋料理六十年 (1975年)

西洋料理六十年 (1975年)

  • 作者: 田中 徳三郎
  • 出版社/メーカー: 柴田書店
  • 発売日: 1975
  • メディア: -



 俺が勤め人だった頃,会社にはコーポレートシェフという役職の方がおり,クッキングデモ(機材を使っての講習会の講師)やルセットの作成をお仕事にするわけだが,俺が良くして頂いたある方は東京會舘出身で,ここで取り上げる田中徳三郎氏のもとで長く働き,丸の内のパレスホテル開業に際して田中氏に付き従う形で移動し,後にパレスホテル大宮の料理長としてその経歴を締めくくった。

 在社中,そのコーポレートシェフから断片的に伺っていたことを近年,体系的に自分の中で構成してみたい気になっていたわけだがネット上の情報は何とも断片的であり、散漫で、調理師の間での神格化されたといってもいいくらいの評価と一般人への知名度に於いてこれくらい激しいギャップのある方もいないのではないか。
 その功績を上げるときりがないが,強いて幾つか取り上げればある意味,フランス料理を西洋料理のカテゴリーから独立させた立役者であり、テレビ電波に登場し,レギュラー出演するようになった最初の料理人といったような、「●●を●●した初の日本人」という肩書きをごっそり持つ方が田中徳三郎氏なのだそうだ。

 本書については自伝と書いたが,必ずしも時系列的に整理された読み物にはなっていない。書き下ろされた回顧録としての箇所とリアルタイムで書かれた紀行文のような箇所,雑誌や社内報などに寄稿された短いテキストが混在しており,正直なところ一冊の本としては寄せ集めのような印象がないでもない。
 しかし何と言っても著者が著者であるだけに内容は深く重い。「日本の西洋料理の歴史」のインサイドストーリーみたいな出来事が何気なくさらっと一行で書かれていたりする。

 本書を読んでわかったことだが,料理人列伝みたいな記事で取り上げられる内海藤太郎氏に関する記述は殆ど全て本書からのコピペである。

 俺にとっては肩すかしというか物足りないというか,そういう点がなくもなく、それは渡仏留学していた約2年間オーギュスト・エスコフィエの元で師事していた時期の記述が大変少ないことなのだが,恐らく知識や技術の習得に没頭していて日記を付ける暇さえなかったということではなかろうかと想像している。

 読後あらためて思うのは,超一流のプロフェッショナルになる過程でその人は必ず偉大な指標となる親方に巡り会って散々しごかれる時間を経験するものだという人生の鉄則とも言えそうなことで、分野を問わず共通しているのではないだろうか。
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業務用厨房機材の購入者と納入業者の関係の見え方 [お仕事上のぼやき]

 しばらくぶりの更新。

 風邪で体調の良くない状態が長引くと,自分に残っている時間はもうあまりないのだろうとあらためて思う。

 ある動画で聞いた政治家と有権者の関係のありようが大変秀逸でと思ったので,ここでうろ覚えながら文字にしておこうと思う。

 有権者は「俺達の投票行動のおかげで代議しにしてやったんだ」と思っている。
政治家は「毎度くだらない陳情ばっかり持ってきやがって」と思っている。

 色々な関係に置き換えて比喩が可能なお互いの心情だろうな、と俺は思う。勿論俺の携わっているこの業界にも同じような関係はあるのではないか。お互いが腹の中で相手を軽蔑している関係が。

 購入者,使用者は「買ってやったんだ」とか「使ってやってるんだ」と思い,
 納入業者は「さんざっぱら買い叩いた上にわがままばっかり抜かしやがって」と思い,
 こういう構図は沢山ありそうに思う。俺にも勿論心当たりがある。

 物品の販売行為を俺はあまり積極的に行っていない。やらないこともないが俺の生息地は大して大きな街でもないのに業務用厨房メーカーの出先機関だけはよくこれで共倒れしないものだと感心したくなるくらい沢山あり,それぞれが直販の営業活動に精を出しているので俺のような者の割り込む余地などどうせないだろうと考えているからだ。
 だから業務は修繕が中心になるのだが,機材が故障して修理屋を呼ぶという行為にもこの「使ってやってるんだぞ」的な意識が透けて見える場面はよくある。そんな場面を俺自身が積み重ね,同業者とぼやき合ったりしていると,若いサービスマンがこの業界に定着しづらい状況の原因の一つはこういう関係性にあるのではないかと思うようになってきている。
 お金を支払う,という関係性の全てについて近年鼻につく傾向のように思うが,別に古事記が物乞いをしているわけではないのだ。代価を支払うという行為には本来以上に尊大な振る舞いが許容されているのではないか。もう一方の側が得意先に対して必要以上に迎合する姿勢がこういう関係や傾向を助長している面は確かにあるだろう。
 そして俺には勿論,こういう困った関係を改善できるだけの力はない。
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余りにも愚かな質問が回答者を怒らせる [困った業者]

 前回の記事でこういうコメントを頂いた。ご本人の許可は得ていないが差し障りはなかろうという判断でここに掲載させて頂く。

こんばんは。

修理依頼の電話で原因なんですかって聞かれる事もありますよ( ´∀`)

知らねーよ( ゜Д゜)と言いたいです。

 全くもってこれは俺がいつかここで思い切りぶちまけたかったこと,そのものズバリだ。俺は常々,いつかここでこういう類いのバカ共の生態を暴き立ててやりたかったのだが,何か書こうとすると段々頭に血が上ってきて作文どころではない心境になってしまい今まで手を付けられずにいたのだった。

 同業者の修理屋に限らず,近年多くの人の思考するエネルギーが低下した最大の要因は携帯電話の普及にあると常々俺は考えている。スマホの普及はそれに輪をかけて人を横着にした。
 その根拠や経緯をここでは詳述しないがとにかく,手近な誰かを取っ捕まえて何を質問しても全て即答してくれるに決まっていると思い込んでいる大馬鹿野郎共がここ数年俺の周辺には急増しており,俺は段々怒りっぽくなってきているのだ。

 例を挙げればきりがなく、それこそバーゲンセールをやってもいいくらい膨大なのだがここでは一つ取り上げる。

 その人物は某メーカーに勤務する実務経歴の長い、職種で言うと営業技術、つまり納品現場の施工管理に従事するのを主な生業としている。
 ここで話題は横に逸れるが,厨房屋のうち納品現場の施工と機材の修繕のどちらをやらせても一流という人はいない。いたとすればその人は全く例外的な存在でそれだけのスキルがあるのだったら厨房屋みたいなクソ業界にいることは余程運のない人生を送っていることを表しており、ほぼ例外なく厨房屋というのはどっちか片方をものにするのが精一杯なままでキャリアを終える。
 そして,業務用の厨房というのはバイヤーなりユーザーなりも大して見識のない者が多いのでこういう実体をわかっていない。とにかく,作業衣を着ていて軍手を穿いていて道具箱をぶら下げていさえすれば建築構造から機材の内部構造やメカニズムまでの全部を掌握しているに違いないという、何の根拠もないバカな思い込みを持っている。
 業者も業者で,日頃は現場施工ばかりしているような職種の人物とか,燃焼器具の修理しかしていないようなサービスマンが,たまたま冷蔵庫の凝縮不良が起きている現場に居合わせてコンデンサーの清掃を,それも誰かに教えてもらってやっとこすっとここなした程度の出来事がたった数回あった程度で自分は冷機器関係の修理を全て体得したかのように確信するバカが物凄く多い。

 要するに,業務用の厨房機材という業界は機材を収めた側もそれを購入して使用している側も,何にもものをわかっていない大馬鹿者が圧倒的大多数である世界で,恐らくこれから先も変わることはない。
 多少わかりやすく例を引くと,自動車学校の教官が教えることは運転の仕方であって自動車のメカニズムを微に入り細にわたって教示するのは彼の本分ではないし,それが出来ないことは職業人として特段恥ずべきことでもない。故障の整備は整備士という別の職種の人達がいるのであって,自動車の所有者は自分の車に不調があったからといって自分が通った教習所に行って自分の教わった教官にその解決策を相談するようなことはない。不調な車は整備工場に持ち込んで問題を解決してもらうのがごく当たり前の認識として定着しているだろう。

 ところが,業務用の厨房機材という世界はそうではなく,上の例でいうと自動車学校の教員に車の不調を解決してもらおうとする、ここに使用者のバカさ加減がある。
 バカな構図が更に続く,自動車学校の教員が自動車というハードウェアについて教えることといえばせいぜいタイヤの交換の仕方とか,ファンベルトのテンションの調べ方とか,クーラーントやオイルの残量の調べ方くらいなものだろうが、厨房屋というのは自動車学校の教員である者が出来もしないのにエンジンやトランスミッションの分解整備までを請け負おうとする。彼にそんな知識も技術もないのにとにかく請け負おうとする。要するに自分にその知識も技術もないから解決能力がないのだということさえ自覚できていないくらい頭が悪いのが大半の厨房屋である。

 ここでやっと,話を本題に戻す。
 それこそ,例を引けばきりがないが俺の携帯電話に連絡を寄越す同業者の中に「冷蔵庫が冷えないんですけど何が原因でしょうか?」とか「スチコンの電源が入らないんですが何が原因でしょうか?」とかいった類いの質問をしてくるバカが一人ならずいる。
 そしてそういう輩というのは大抵,修理に訪問したその現場から俺に電話をかけてきているようだ。依頼元からの連絡を受けた時点で自分に解決可能なものかどうかの思慮もなく,ただ脊髄反射的に、呼ばれたから行けばいいんだ,行けば何とかなるんだ程度の考えで行動しており、現場について実機を見てみるとチンプンカンプンで誰か都合の良さそうな奴に助けを求めている,そういうことだ。

 「電源が入らないのであればテスターを持ち出してきて配線図を拡げ,どこかで遮断なり断線なりが起きていないかを調べればいいだけの話ではないのか。原因とはつまり、遮断なり断線が起きているその箇所であってそれは現場であなたが調べるべきことだ。実機を目にしているわけでもない俺が具体的にあの箇所,この箇所と説明できる類いのものではないでしょう?俺は千里眼の持ち主ではないのだよ」と答えるとこの手のバカは大抵,憮然としたり焦り出したりする。逆ギレして「お客さんが困っているのになんでそんな意地の悪いことを言うか」と俺を詰るバカもいる。

 本当に,バカにつける薬はない。バカというのは大抵無自覚だが一端の自尊心だけはあるようで何か薬をつけようとすると自分がバカ扱いされていることに腹を立てるものらしい。
 冷蔵庫が冷えないだとか何かの電源が入らないだとか、質問が余りにも漠然とし過ぎているのだからこちらだって『色々考えられる』としか言いようがないのだということがわかっていないのだ。
 配管のこの箇所の表面温度が何℃だが正常なのかとか,このモーターの負荷電流が何アンペアだが正常なのかとかいった類いのことなら幾らでも回答できるが、冷蔵庫が冷えない原因は何なのかとか,オーブンの電源が入らない原因は何なのかとか,こういう圧倒的に漠然とした質問をしてくる奴というのはつまり,「私にはなんにも知識がありません」と白状しているのだということを自覚していない。 
 知識のない者がどこか外部の,解決能力を持った人に口頭で指図されながら自分はラジコンになって問題を解決できるなどと考えているとすればそれはバカの二乗というか,修理屋という商売を余りにも舐めている。電話口で口頭説明を受けただけで何でもかんでも修理できるのだったら誰も苦労しないわ。
 知識や能力のない者が機材の持ち主が困っている姿を目の当たりにしてるのであれば「申し訳ありませんが私はその問題を解決できません。わかる者を寄越しますから少々お待ちください」と辞去するのが正しい行動ではないのか、何故そう出来ないのか?

 ここで話をまとめたい。
厨房屋という商売は、俺を含めて業者の質は大変低劣であるが同じくらい使用者もバカだったり不見識だったりする輩が物凄く多いのだ。
 大体,修理の依頼をして現れた業者が自分の見ている前で虎の巻を拡げたり誰かに携帯電話でアホみたいに初歩的だったり漠然とした質問をしている姿を目の当たりにして不審や不安を抱くことはないのだろうか,(この人に任せておいて大丈夫なのだろうか)と思わないのだろうか。
 
 思わないんだな、バカだから。

 ふと思うが,プロフェッショナリズムという観念は昨今,物凄く衰退しているのではないだろうか。
タグ:修理 バカ
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苛立つ修理屋には迂闊に話しかけるな [日記、雑感]

 22日木曜日は昼から午後にかけて某養護施設でコメットカトウのスチームコンベクションの修理を行った。
 他にも似たような造りのメーカーは沢山あるが,この会社の製品もビスの数が無用に多い。しかも組みつけの精度は良くなく,締め付けトルクの管理はあまりされていない。だめ押しついでに本当ならばボルトで固定されているべきところにビスが使われており,しかもそれは明らかにオーバートルクで締め付けられて頭がなめている上にものの見事に錆びている。クリアランスは不足していて通常使う100mmシャンクのドライバーが立たない。

 障害の起きていると思われる給水タンクはしょうもないビス一本を残して取り外せない。何を持ち出しても固着したビスは頑として回らず,タンクは脱着できない状態が続き,作業は頓挫するのである。たったビス一本のためにだ。
 この施設に入っている給食委託会社の連中は陰険な上に知能程度に問題のありそうな奴らが多く以前から俺とは反りが合わない。
 この日も例に漏れず、固着したビスに手こずりあれこれとアプローチを思案している最中に脇から「原因は何なんですか?」だとか「あとどれくらいで終わるんですか?」とかグダグダと腹立たしい茶々を入れてきやがるので俺は苛立が高まった。

 タンクはM4のビス4本で固定されており、そのうちの3本までは何とか外して残り一本という場面で上に書いたようなバカどもが俺の仕事に無神経な横車を押してくるので俺にはスイッチが入った。
 俺はタンクを鷲掴みにするとクソ調理員どもを無視してガリゴリガリガリと揺さぶったり捻ったり固定箇諸近辺をハンマーでガンガン叩きまくったりタンクに思い切り蹴りを食らわしたりした。
 調理員のバカババアからは俺が荒ぶって機械をぶっ壊しているように見えたのではなかろうか。オーブンは施設の固定資産であって給食委託会社の所有物ではないのだから連中に文句を言われる筋合いもない、直ればいいのだ、文句あるかと言わんばかりに俺が煩わしい馬鹿どもを睨みつけると糞婆は視線を逸らして休憩室に逃げていった。

 果たして問題のタンクは俺の努力の甲斐あって段々固着箇所が緩み、固定部は歪んだものの上手い具合に外れて来たので俺はその後流れるようにタンクとボールタップの分解を続けてその現場を納めた。

 ここからは上に書いたような出来事と関係なさそうで実はある事を書きたい。
 目下俺は風邪を引いて寝込んでいる。この記事も寝床で亀のように腹這いになりながら書いている。
寝床に潜ってできる事には制約があるのでネットの動画をあれこれ見ているうちに下のような動画に行き当たった。
 これまでこのブログでも何度か取り上げた事のあるネット配信者のウナちゃんマンこと佐野智則氏の10月22日の出来事である。奇しくも俺の荒ぶる修理と同日だ。

 動画はダイジェスト版だが経緯をかいつまんでおくと、配信上で口論となった相手を佐野氏は散々挑発し、憤激した凸者がバール片手に襲撃をかけて来た。ところで佐野氏の住まいはセキュリティ対策の整ったオートロック完備の賃貸マンションで、当日佐野氏は籠城作戦を決め込んだ、という構図だ。が佐野氏の事前の思惑を越えて凸者の行動は激しく,外部の者をガラスで仕切るエントランスを破壊して佐野氏の住居にまで突進し,バールで玄関ドアを滅茶苦茶に叩き壊して対面を迫るに及んだ。

動画のURL:https://youtu.be/G0LgQ4MysC4

 後日談としては、今回の出来事は相当応えたらしく、佐野氏は雑談配信から脚を洗う事にしたらしい。因果応報というか自業自得というか,程度を弁えずに配信上の受け狙いで相手構わずに粋がっているととんでもない目に遭う格好のサンプルではある。
 別の見方をすると,懲役上等でカチ込みをかけてくる人というのはかくも相手を畏怖させるものだ,とも言える。
 閉所に立て篭ったところに凶器を持った凸者が襲いかかり,ドアをぶっ壊すというのは本当に物凄い恐怖を与えるもので、この映画にはそこを実にリアルに描いた場面がある。

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 実は俺にはこれに似た体験がある。
学生の頃,俺は寮で生活しており,酒に呑まれて正体を失った上級生共が群集心理で下級生相手に乱暴狼藉を働く場面を何度も経験し、勿論謂れもなくどつかれたり殴られたりしたものだ。
 寝床に潜り込んで深夜,ふと目が覚めると廊下の遠くからざわざわした気配が段々近づいてくる。頭の芯がぴーんと張りつめて身体が強張る。どたどたと足音が響き,部屋のドアがいきなりバーンと開けられて部屋の照明を点けられ、「てめえら!起きろ!」と先輩の怒声が響く。恐かったぜ。

 通称,『部屋まわり』と呼ばれたこの有り難くないイベントには寮で代々引き継がれたセオリーがあり,それは絶対部屋には施錠しておくな,というものだった。
 ドアはロックしていた方が安全かと普通は考えるが多くの場合逆だ。
 後年俺が逆の立場になってから理解できたが,クソ生意気な下級生にヤキを入れようとしてそいつの部屋に行き,ドアがロックされていると凸者の心理は憤激がエスカレートするものなのだ。ドアがすんなり開けば口頭の説教くらいで済むものが実力行為に及ぶ可能性が跳ね上がる。ロックされたドアは対話を拒む頑さの現れであり,ドアを蹴り破って暴徒が殺到したときにそれはそれは凄惨な展開となる。

 これは決してこじつけでなく,作業中の錆びたり舐めたりしたビスやボルトはこういう,挑発的な人物が煽るだけ煽って部屋のドアをロックしている状況に共通するように思える。何事によらず,独りよがりな頑さは相手の怒りを引き出すものだ。
 違いとしては,動画にあるような乱暴狼藉は傍目から見て明らかに殺気立っているのがわかるが,取れないビスに手を焼いている修理屋の苛立は一見してもそれとはわかりにくい点だろうか。修理屋各個人によって傾向は違うだろうが俺の場合は冒頭書いたような無神経な茶茶入れをされるのが嫌いだ。そういう馬鹿な調理員のいる施設では修理代の精算に手心は加えないことにしている。
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ランプテスター [便利そうな商売道具]

 風邪を引いて調子が悪く、本日の俺は開店休業状態で寝床に潜ってこの記事を書いている次第だ。

 今週中には一つ、オーダーしたテスターが届くので週末にはあれこれいじくり回して一つ記事をものにしたいと考えているが、オーダー先のHPをあれこれ眺めているうちに色々と面白いものを発見した。

 俺の仕事の上では大して出番はなさそうなので喫緊の課題という訳ではないが、そのうち金ができたらひとつ買い込んでみようかと思う。ランプテスターという道具があるようだ。

 蛍光灯の点検ができる。
(1)ガスの封入状態
(2)ピンの破損状態
(3)検電

 公共施設や店舗、ホテルなど照明器具の多い施設の保全関係者にはちょっと便利かもしれない。
俺の仕事に照らし合わせてみると関係のありそうなものはコンビニに収まっている中華まんのスチーマーとか照明付きの冷蔵ショーケース程度だから今ひとつ購入に踏み切る理由は弱い。

国内での販売元はここ
http://jp.rs-online.com/web/p/lamp-testers/7943159/

現地法人はまだなく、故障時の修理対応についてはどうなっているのか不明。

と、ここまで書いていて、発注していたテスターは俺が日中寝込んでいる間に宅配便が来て不在通知を置いて持ち帰った事が判明した。今回取り上げたランプテスターと同じくアメリカのAmprobeという会社の製品である。

製造元HP:http://www.amprobe.com/amprobe/usen/home/

 風邪を引いている事もあり、週末は届いたテスターをいじくり回しながら記事でも書く事にしようか。
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ディジタル温度計の存在理由はどの程度か [含蓄まがいの無用な知識]

 前日記事の続き

 あらためて10年以上前に購入し,先日いかれた温度計の画像を以下に示す。
IMGP0336.jpg


 本体価格は2万円強で,表面温度用のプローブを追加購入することでプラス8千円くらいの出費だったと思う。標準で付いてくる液温センサーは単体販売だと6千5百円だ。

 温度計の機能はデータホールドとメモリー機能,これは最大値と最小値の呼び出しは出来る。及び表示単位として摂氏温度と華氏温度の切り替え。
 この程度のものがいまだに同じような値段で販売されていることに俺はどこか納得できない。

 そもそも一昔前以上,業務用途でプローブ(温度計の場合は感温部)を交換可能なディジタル温度計を購入する大きな理由の一つは表面温度の計測を目的としていたからではないかと俺は考えている。
 液温や気体の温度を測るだけなら幾らでも安くて便利な温度計はあった。表面温度を測る必要に迫られて商売人は3万円近く出費してディジタル温度計と合わせて表面温度プローブを追加購入していたのが実相ではなかろうか。

 しかしそれから数年してこの状況は一変する。
レーザーを照射する非接触放射温度計が劇的に低価格化して,しかもそれはまずまず使えるだけの測定精度を備えていたからだ。



 見よ。二十数年前なら10万円出しても手が届かなかったのに今やこんな値段で買えるのだ。
実際俺も3年くらい前に共立の温度計を一万円くらいで買った。

 非接触の放射温度計の原理的な強みは文字通り非接触であることに尽きる。異なる温度のもの同士が接触することで不可避的に起きる熱伝導が被測定物の元々の温度をわからなくさせる場合がある(例えば測定対象の体積が物凄く小さく,温度は高いが保有している熱量がごく少ない),という論理的な”穴”がこれにはない。
 実用に耐えるだけの精度が出ているとわかると俺の場合,それまで使っていた接触式の表面温度プローブの出番は全くなくなった。ディジタル温度計の出番自体が半分以下に減ってしまったのではないだろうか。

 そこへ持ってきて,現在俺は真面目に使い倒すテスターを仕入れるつもりであれこれ物色しているのだが,海外製のテスター(特にアメリカ製)になるとかなりの割合で温度計の機能が組み込まれている。
 俺の場合輸入機械を扱う場面があるので,現場で単位換算する手間を省くために華氏温度表示の機能を持っていると都合が良いのだが、アメリカ製となるとこれまた当然のように単位表示の切り替え機能を持つ。それどころか二点計測の差分表示とかまで組み込まれたものがある。ヘタな単体温度計顔負けだ。
 テスターのメーカーによっては測定用の温度プローブが標準的な付属品として同梱される場合があり,併せてテスターリードの接続端子をミニオメガプラグに変換するアダプターまでついてくる。だめ押しで昨今のディジタルテスターにはUSBやシリアルポートでコンピューターに測定データを転送してデータロガーの機能を持つものまでが低価格化してきており,こうなってくるともう,ラボラトリーレベルでの測定精度だとか余程特別な機能を持たない限り単体のディジタル温度計の存在理由が物凄く希薄になってしまう。
 
 今までは国内メーカーの標準的な機能のテスターと今回破損したディジタル温度計の組み合わせで仕事をしてきた俺の装備はこれから先は温度計やその他諸々を内蔵した多機能なテスターと放射温度計の組み合わせに置き換わることになる。
 ここ数日は風邪気味で家の中で朝から晩まで海外メーカーのテスターの資料を読み漁る日が続いており,金欠状態からは脱出の兆しが見えてきたので昨日一台目を発注した。

 話題はテスターに変わるが,今まで計測器については海外メーカーへの関心も予備知識もなく、漫然と問屋の店頭に並んでいるものを買い続けて来たが,こうして視野を拡げてみると瞠目すべき商品がかなりあることを知った。いずれブツが届いたら記事にしようと思う。
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金のない時程モノは壊れるように思える件 [お仕事上のぼやき]

 タイトル自体が結論なので本文は全て蛇足であり,俺の個人的事情の垂れ流しに過ぎない。
夏以降,俺の商売道具は次から次と壊れ続けている。そしてこれは別の記事をこしらえようと思っているのだが,そういう物入りのある時程修理代の請求書を塩漬けにするけしからん輩が次々に現れてきて俺の暴力的な気分を煽る。要するに,金はないわ商売道具はいかれるわでここしばらく俺の心象風景はすこぶる荒んでいる。

 先週,某焼き鳥点で冷凍冷蔵庫の修理中に冷媒のチャージングスケールが昇天したことを書いた。

関連記事:至る所に落とし穴はある
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2015-10-09

 そのチャージングスケールは俺が商売を始めた11年前に仕事仲間の冷凍機屋が購入した激安スケールのことを教えてもらい,同じものを取り寄せてもらって買ったなので購入元がわからない。ということは修理の依頼先がわからないということでもある。
 今回,その仕事仲間に修理先を聞いてみたが彼はかなり以前にそのチャージングスケールがいかれてしまい,買い替えたので、依頼先のことはさっぱりわからないと言う。
「どうせ一万そこそこの安物だったんだからそろそろちゃんとしたチャージングスケール買いなよ。もう10年以上も使ったんだから元は取ったでしょう」とのことだ。

 お説ごもっとも。俺は最近,得意先に対して減価償却の済んだ厨房機材などはいつまでもネチネチ使わずにとっととリプレースすべきだと言うようになり始めているのだが,こういう言い草をブーメランというのだろう。
 しかしこういうことにはその人個人の懐事情が大いに関わっているのであって,その冷凍機屋は実入りがよく,いかれた機材は次から次と買い替えていけるだけの財力があるので殊更修繕に拘泥する必要がないのだろうが俺には大有りだ。大有りだがどこに修理に出していいかわからないから結局カタログを読み漁ってなるべく安いものを必死で探す。本業の仕事もせずに朝から晩までカタログばっかり呼んでいる。

 チャージングスケールを購入する費用をどうやって捻出しようかと思案しているうちに今日,修理の現場でいきなりデジタル温度計が逝った。これまたチャージングスケールとほぼ同時期,俺が商売を始めた頃に買い込んだもので使用歴は10年を越えている。
IMGP0336.jpg

 この温度計は購入した頃その値段は2万円強したと思う。今となってはお笑いぐさの仕様で、こんな温度計が2万もするものかと諸兄は思われるかもしれない。
 この温度計は4年くらい前に一度いかれて修理に出し,購入価格の半分以上の修理代の請求書が来た。既にその時この温度計はカタログ落ち寸前のような有様で,修理代に少し追い金をすれば同じスペックの温度計は楽に買えるくらいだった。

 今となってはこういう温度計を単体で使い続けることに俺は大いに疑問があるのでそれは別の記事で少し持論みたいなことを書き留めておきたい。
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ガス切り替え工事後の落とし穴 [お仕事上のぼやき]

 俺の住む土地では7年くらい前に都市ガスの切り替えがあり,それまでは4Cという屁にも等しいくらいの発熱量しかない貧相な燃料だったものがやっと天然ガス13Aに変更された。
 東京横浜などの大都市圏で仕事を教わって地元に帰ってきた調理師の方々が自営開業されるなりどこかの職場に就労するなりの時に例外なく抱く違和感はこれで都市ガスの供給される地域内では解消されたことになる。LPGでの使用環境下については相変わらず問題を抱え続けるわけだが本題からそれるのでここでは割愛。

 俺の得意先である某総合病院にあるガスレンジは俺が勤め人だった頃に納入した個体で稼働歴は実に25年になる。
 納入の際,その病院はタニコーからも見積書を徴収し,価格は俺の提示額よりもかなり安価なものだったので俺が不審がられたのだった。
 値段は高いかもしれないが俺が最後までサポートする,それが商品価値なのだと俺はそのとき強弁した。当時の俺はまだ30そこそこで今の俺からすればどこの馬の骨とも知れない若造でしかないわけで,そんな野郎が拡げる大風呂敷というか空手形みたいな話を良くまあこの総合病院は呑んでくれたものだと感謝に堪えないわけだが,そのガスレンジは躯体の老朽化したその病院で10年近く稼働し,その後移転新築に伴って移設され、その後は俺が手を入れながら約15年が経過して今でも現役であるから,俺は若造の頃に自分が切った空手形のおとしまえはつけたと少しくらい威張ってもいいのではないか。

 数日前に俺はそのガスレンジの修繕でその総合病院を訪問した。
ガスコックを分解してグリスアップする,厨房屋としては基本中の基本で作業としての難易度は無いに等しいが、四半世紀も面倒見続けてきたのだと最後のガス漏れ点検を終えてから少しばかり感慨に耽った。
 某総合病院は約400床くらいの規模なので当然色々な機材があり,それらは全て老朽化が進んでいるので飛び込みで色々な修繕の依頼が来るのは当然なのだがこの日も病院の移転時に新設されたガステーブルで着火の良くないバーナーがあると言われた。
 新設といったって15年落ちだ。いい加減リプレースを考えてくれないものかとも思うが,25年も使用し続けているガスレンジが一方にあるとなると他の燃焼器具も同じくらい長持ちするもんだと病院では信じ込んでいるらしいフシがあり,物販の希望は敢えなく頓挫する。

 ガステーブルは俺が職場が変わってから納入したもので,総ごとく,圧電着火のごくありふれた仕様のものだ。
 時代の流れというか,ある時からはこういう仕様の燃焼器具の方が安くなったのでそういうものを納めたに過ぎないわけだが,正直なところ俺は業務用の燃焼器具はあまりややこしい着火方式は好ましくないように考えている。どうせ一日中使いっ放しなのだったら昔ながらのマッチ点火でパイロットバーナーがつきっ放しの方がアクシデントに対しては疑問の余地なく強いからだ。点火保持機能を持つ燃焼器具に対しても同じように俺は考える。

 それはさておき,本題であるガステーブルの不具合とは5個あるトップバーナーのうち一つがうまく圧電着火しないとのことだった。点火用のライターでメインバーナーは普通に着火、燃焼はする。
 着火動作の不具合は簡単に所見が定まった。パイロットバーナーからのガスの射出量が多すぎるので点火火花の引火性が良くない。流速が高過ぎて引火する前に前方にすっ飛んでいってしまう,そんなイメージだ。実際,点火操作を何度か繰り返すととてもパイロットバーナーからとは思えないくらい周辺がガス臭くなるし,ガスコックを捻るとシューシューと音をたててガスが出てくる。

 それで俺の推論は冒頭書いたような都市ガスの切り替えに及んでいった。
もしかしたら,これは本当に推論の域を出ない話だが,都市ガスの切り替え工事に伴う燃焼器具の熱変作業に於いて一箇所,ノズルの交換を忘れて4Cのままになっているのが問題の箇所ではないのか。
 単純に,長期使用によってノズルが流動摩擦で広がってしまったので射出量が増え,流速が上がり過ぎたに過ぎないという可能性は勿論あるが,状態があからさま過ぎて不自然な気がするのだ。
 
 ともあれ,この状態はパイロットバーナーのノズルを交換することで収束する。大した修理代にはならないだろう。ガス会社が行う熱変作業に手落ちがありはしなかったかとか,仮にそれがあったとして使用者がどうして7年もそれに気づかずにいたのかとかいった疑問はあるが,何事によらず人のやることに絶対はないし,どんな手違いも起こり得ると俺は考えているので今更7年前の工事を蒸し返して詮索するような真似は不毛なのでしない。
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「師」のつく職業について考えてみる [含蓄まがいの無用な知識]

 しばらく前,知人との会話の中で調理師の「師」という文字の意味するところについて色々と教えてもらったことがある。

 辞書によれば(広辞苑から出典)、
1:学問,技芸を教授する人,師匠。先生
2:僧侶,伝道者など宗教上の指導者
3:専門の技術を職業とする者
 とある。
 
 俺は長いこと医療給食を相手に商売をしてきたが,あの人達は「調理師」ではなく「調理員」と呼称されるのが一般的だ。「師」ではない。
 学校の同級生には電気保安協会の支部長がいるが、彼の名刺には「保安技師」と刷られている。俺が若い頃に取得した資格の一つに電気工事士というのがあるが、「士」であって「師」ではない。指導や教授を行う立場ではないから作業員の資格,ということになるのか。
 また,会計士や弁護士といった職業の「し」は「師」ではない。技術職ではないから,という理解でいいのかとかあれこれ考えた。

 まあ,俺なりのまとめ方としては「師」のつく生業というのは上にあるように専門の技術を職業としており,体系だった知識を他人に教授できるような人,という理解の仕方だ。
 ここでついでに,調理員とか作業員の「員」という文字の意味するところをまた広辞苑から引いてみると,
1:かず、人数
2:団体などを構成する人
とある。横並びで同じような立場の者がおり,その人は指導や教示を行う者ではないというニュアンスがありそうだ。

 こういう定義を俺の実務に引き寄せてみると例えば,スチームコンベクションが故障したから、或いはないから仕事ができないなどいう人は「調理師」とは言えないのではないのか。
 俺が尊敬する某ホテルの料理長殿はあるときタッチキーを押してジョグダイアルを回す仕草をしながら「あれはもう,調理じゃなくて操作だね」と苦笑しておられた。
 何でもかんでも職人技の手仕事が良いのだとは言わないが,電気仕掛けで制御される機材がないと調理の仕事ができないような者を「専門の技術を有する者」とは認めたくない,そんな連中と一緒にされたくはないな,という挟持の現れなのだろうとそのとき俺は解釈した。

 余談だが,中国料理の世界には「廚師」という呼称があるとあるとき俺はある得意先から教わった。医食同源が中国料理の世界にある考え方であり,廚師というのは調理師に加えて医者とか栄養士的なセンスを併せ持った調理師で、料理人としては最上級にランクづけられるのだそうだ。

 これまで何度か書いてきたようにある頃から俺は同業者を技師(Engineer)と労働者(workman)とに分けて見るようになったが,調理業務に携わる人にも同じような分別はあると言うことだ。
 調理と機械いじりとでは別の業種ではあるがここには構図の類似性がある。前の記事で書いたように,例えばコンビニのフライヤーを一日何台修理したとかいう類いの自慢話はワークマンのものであってエンジニアのものではないように、マックで何年とかワタミで何年とかいう勤務歴は調理師のものではない,というのがしかるべき職務経験を積んだ調理師からの見え方なのだろう。

 こういう分別は当然あって良い。良いのだが肝心の喫食者や厨房機材の使用者にはこういう識別がまるっきり出来ておらず,そんなことはどうでもいいというのが調理師なり技師なりにとってはやり切れない現実だろう。コックコートを着てカメラに向かって腕組みをしてふんぞり返っていれば誰でも一端の調理師に見えるように,作業服を着て道具箱をぶら下げていれば誰でも同じく一端の技術者に見えるようだ。
 
世の中どうも悪い意味で便利になり過ぎている傾向があるようにある時期からの俺は考えている。ハンチク者でも一端の顔が出来ることを可能にする便利ツールが一杯あるのは必ずしもいいことではないようにここ数年の俺は思い始めている。便利ツールは必ずしも万能ツールではなく,どこかでハンチク者の馬脚が現れる,そのとき状況は酷くややこしいことが多いのだ。こういう場面を乗り切れるのはやはり「〜師」のような本当のプロフェッショナルなのだが分野によらずそういう人は存在理由が薄まりつつあり,減少する一方ではないのか。専門的な技術や知識などなくても業種を問わず,「〜師」という職業の方々にとっては受難の時代のように思える。
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ディスポーザブルな社会 [日記、雑感]

 先週は某コンビニチェーンでの修繕を一件行った。
オートリフト式の電気フライヤーの昇降機能が働かないというのが依頼内容だ。
この手の修理依頼は店舗からメーカーの出先に直接来ない。製造元かコンビニチェーンの内部に日本国中の店舗からのオンコールを取りまとめて受け付けるコールセンターがあり,そこからメーカーの出先機関に指示書が流れ,修理屋が店舗に訪問して始末し、帰社してから報告書をコールセンター送信する。

 分業制のある意味完成形というか,俺がしばしば言うところのワークマンworkmanで全ての役割が回っているシステムだ。

 製造元から修理依頼のあったそこは今年の6月頃に一度修理に行ったことのある店舗だった。その時にもオートリフトの昨日が不調でリフトユニットというアセンブリーパーツを取り替えたのだったがその店舗にはフライヤーが2台あるので今回はもう一方の個体なのだろうと俺は予想した。
 このアセンブリーパーツは現地で分解せずに交換後は工場に返送する。工場でリビルドされたものが補修用ストックとして倉庫に保管される。
 そのコンビニは24時間365日営業しているので現場で問題のリフトユニットを分解してどうのこうのをやっていたのでは店舗業務に迷惑がかかるので上に書いたような流れで修繕は進行する。修理屋が現場での滞在時間が最短になるような仕組みが出来ているわけだ。
 交換するのはリフトユニットの他にDCレギュレーターで,出力電圧の確認などは行わない。これはリフトユニットと同梱された状態で補修用パーツとしてあり,昇降機能の不具合があって修理訪問する時には問答無用でこの二点を交換する。

 交換の作業はドライバー一本,時間にして30分かそこらでケリがつく。本当にワークマンの仕事だ。

 通常,熱源に関係なくフライヤーの修理というものは油槽の油を抜き,機体が充分冷めていて安全が確保できた状態で行うのが常だから場合によっては当日作業は出来ずに後日というケースがよくあるがコンビニというところではこの流儀が全く通用しない。
 今まで行ったことのある店舗は必ず電源が入りっ放しでチンチンに加熱されているし,油槽はおろか油受けの缶にまで油が入っているのでとてもじゃないが修理など出来る状況にないのだ。
 こんな状態で修理をやらされて火傷でもしたらどう責任を取ってくれるのかとネジを巻いたことがあったがこういう時にコンビニの店長というのは決まって能面のように表情が消えて黙りこくる。こいつら自体がワークマンで何の裁量もない上に自分の頭でものを考える能力のないバカだというのが俺の経験則だが,現場や業種が異なるとは言え,今年の夏にはサービスマンの感電死亡事故まで出しておきながらこの業界にはいつまで経っても作業員の安全確保という発想が出てこない。業界全体がこんな体質だから社会の掃き溜めみたいな人材の集積所になってきつつあるのだろう。

 現場につくと店長は6月とは別の人物だった。年齢で言うと40かそこらくらいで,ワイシャツにネクタイ姿で下はジーンズだ。どこかの職場をクビになってこの仕事に流れ着き、インスタントな研修を受けただけの類いの,40にもなって何から何まで付け焼き刃の男らしいことは身なりや言動から容易に想像がついた。
 バックヤードに回って問題のフライヤーを見ると先に書いたような状態で普通の厨房屋の感覚ではとてもじゃないが手を出したくはないのだが,嫌味で油缶の中身を始末して空にしてくれないと油槽の油が抜けずに修理できないと伝えるとインスタント店長は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてそうなんですかと抜かした。
 こういう時には何というか,こういう低能野郎の手首を引っ掴んで煮えたぎった油の中に突っ込んでやりたい衝動が湧いてくる。

 何事によらず昨今はそういう傾向が強いが,とりわけコンビニというところに就労している人種というのは毎日毎日永遠に通常の業務が普通に繰り返されていくものだとでも考えているらしい。設備障害という非日常の出来事に対応する発想力は全くない。そういう能力を持った人に俺はこれまで一人も会ったことがない。漏電や過負荷でトリップしたブレーカーの復帰のさせ方もわからない程度のボンクラ共が食品に限らず全ての店舗機器のシステムを操っているのだからこんな危なっかしい話はない。

 それで二台あるフライヤーのうちのどちらが故障しているのかを見ると,俺が6月にリフトユニットを交換した方の個体だった。
 俺は修理屋の習性で,以前の修理で何かまずいことをしでかしたかとまずは自分を疑ったがどう考えても思い当たるフシがない。元々出来の悪いフライヤーなのだからと割り切ってクソ熱い油槽を取出す段取りにかかった。

 変に思うのは,コールセンターからも新米店長からも6月に修理したものがたった3ヶ月でまた同じように壊れるのはおかしいではないかという疑義が出てこないことだ。ましてや修理に現れたのは前回と同じくこの俺なのにあんたが何か不手際をしでかしたのではないのかと問いただされることもない。とにかく動くようにしてくれとしか言わない。

 作業そのものについては格別ここで書くようなことはない。ドライバー一本,30分で片付くワークマンの仕事だ。3ヶ月前と同じ内容の報告書を書き,店舗のスタンプを貰い,元の職場に届ける。そして月末には規定の金額が記載された注文書が俺のところに届く,無機的というか味気ないというか,そういう仕事だ。考察もなければ検証もない。とにかく時間通りに訪問して動かせばいいだけの仕事だ。

 時代の風潮としてよく、「今だけ,金だけ,自分だけ」と言われることが多い。いつの間にかそういう物差しが世の中には蔓延していることには正直なところ,暗い気分になる。
 俺はもういい歳なので,自分がオールドタイマーになりつつあることは自覚しているつもりだが,時流から取り残されていく感覚というのはやはり淋しいものだ。
 検討を重ね,充分な予算取りをして万難を排して設備導入し,長期の安定稼働を図るために使用者を固定して充分なトレーニングを施し,スキルの高い保全従事者を配置するような現場は激減しつつある。
 コンビニで言えば,全店採用の大量購入をちらつかせればメーカーや商社はどんな無理筋でも言いなりになるし,店舗の従業員ごときはそれこそ幾らでも補充が利く。店舗機器の製造元にしても抱えておくサービスマンは特段スキルの高い技術者である必要はなく,ねじ回ししかしないパーツ交換作業員のワークマンで良いのだから社員の採用人事に頭を悩ます必要もないだろう。吐き気のしそうな整合性だがそれが現状だ。

 しかしそんな虫のいい仕組みはいつかどこかで破綻するだろうし,その時には深刻な状況が現出するのではないのか,その時,誰がどうやってその状況を解決するのか。コンビニチェーンやその周辺の業者はそんなことなとハナクソほども考えていないに違いない。困っているんだ,大変なんだと喚き散らしさえすればすぐに誰かが参上して自分たちにとって最高に都合のいいやり方で解決してくれるに決まっていると信じ込んでいるに違いない。
 
 東日本大震災から4年以上が過ぎたが、殆どの人にとってそれは他人事であって危機管理とか予防保全とかについてまじめに何かを考えている人は俺の周りにはいない。いずれその報いが,いつか,どこかで現れるだろう。俺はそんな場面には関わりたくないのだが。
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至る所に落とし穴はある [含蓄まがいの無用な知識]

 仕事仲間の冷凍機屋から業務用冷蔵庫の修理依頼が合ったのは大体一週間くらい前だった。
コンデンサーファンモーターが昇天間近で凝集不良気味なので扇風機を持ち出してしのいでおり,補修パーツが来たら交換して欲しいとの内容だった。

 こういう修理はお手軽に小銭が稼げる,俺にとっては有り難いオファーなので二つ返事で引き受けた。すると翌日、以来元からはその現場での追加修理の依頼が来た。冷凍冷蔵庫のコンプレッサーを交換してほしいとの事だった。
 その現場はある焼き鳥のチェーン店で、今年の冬に同じ型式で別の冷凍冷蔵庫のコンプレッサーを交換した事がある。仕事が増える事で貧乏暮らしから少しは浮上できるかと俺は嬉しい気分で快諾した。朝から取りかかって昼頃までにはケリがつくだろう、割のいい稼ぎになりそうだわい、と俺はそろばんを弾いてニンマリした。

 が、しかし。
物事そうすんなりとは行かないものらしい。
一昨日、依頼元の仕事仲間が慌てて連絡をよこして来た。届いたコンプレッサーが現在ついているものと違っているというのだ。
 製造元では同形のコンプレッサーが既にないので別の形式のコンプレッサーと改造用のキット一式が送られてきたのだそうだが、作業事例が今のところないので所要時間が予想できないのだが何とかならんかと言う。
 目先の金に目が眩んだこの俺が尻込みする訳はない。やってやろうじゃないのと大風呂敷を広げた事を今はちょっと後悔したりもする。
 修理というより改造で,こういう作業は滅多にないので毎度ながら手探りで時間が読めないがとりあえず始めた。

 IMGP0328.jpg

 取りかかる前の状態。冷蔵庫の前には炭火焼の台があり,全体に白っぽいのは灰が飛散して堆積した結果だと思う。今回の修理の発端となったコンデンサーファンモーターの焼損もそれが原因ではないだろうか。

IMGP0329.jpg

 既存のコンプレッサーを取り外した状態。同一品との換装ではないので配管の接続を考慮しながらパイプカッターで冷媒管を切断するのだが結構考えながらの作業で初見だと意外と時間を食う。

IMGP0330.jpg

 今回交換する新しいコンプレッサーでオイルクーラーのついたレシプロ機だ。固定用のボルト穴は当然ながら元々ついていたローターリーコンプレッサーとピッチが異なる。
 単純に冷凍庫,冷蔵庫であれば上の機械スペースはゆったりしていて融通は効くが今回は間口1200mmの冷凍冷蔵庫なので結構窮屈であり、配管の位置や後々修理があった時の作業スペースを確保しながら位置決めを行う。

 IMGP0331.jpg

 その筋の方はご存知と思うが,ある能力以上の冷凍機は冷媒の吸入と吐出の他に冷凍機油の冷却配管の系統を持ち,今回のケースはそれに該当している。故障品と同じコンプレッサーを交換するのであれば特段考えることもなく、以前あったように配管を繋げばいいだけだが異なる形式のコンプレッサーとなるとどの接続箇所が何の働きをしているかを考えながら配管を切ったり繋いだりしなければならない。
 交換品にはその箇所を表す資料が添付されてくるが取り外した既存品にそのような記述はない。また,今回の個体はそれぞれオイルクーラーを持つ2コンプレッサー,1コンデンサーという構成なのでコンデンサーには冷凍冷蔵併せて8本の冷媒管が接続されていることになってややこしい。
 配管の誤接続は後々面倒なのでそれぞれの配管にタグを付けておく配慮が働く程度には俺も年季が入ってるということだ。

IMGP0332.jpg

 冷媒管接続を済ませる。250W程度のレシプロコンプレッサーに果たしてオイルクーラーが必要なのかという疑問が俺にはあるが三洋はコンプレッサーのパーツメーカーでもある。それまでついていた縦型ロータリーはオイル上がり防止のためにオイルクーラーの系統が必須だったわけだがこういう帳尻の合わせ方にはあまり必然性を感じていない。

 コンプレッサーの変更に伴って始動回路などの周辺パーツも変更されたが作業マニュアルが酷く不親切な代物で殆ど全くといっていいくらい自分でその構成を考えて取付けなければならないような有様で今回の作業ではここに一番時間を食われた。
 白状すると,6時間くらいかかる作業でそのうちの半分以上は始動回路の変更と実装に費やす羽目になった。
 セットになって付属された配線だと大変短く,始動リレーやコンデンサーが電装ボックスの中には納められないし与えられた配線図だと一部配線被覆の色が記述されておらず,結局灰まみれの見えにくい元々の配線図から手書きで変更されたコンプレッサー起動用の回路を自分で書き起こすことになった。今回最大の落とし穴だ。店舗の開店時刻が迫ってきてオーナーの目が段々吊り上がって来るのがきつい。

IMGP0333.jpg

 とりあえず動きますの図である。弱り目に祟り目で,今回の修理では冷媒の充填中にチャージングスケールが突然昇天して封入量が把握できない事態に陥った。
 何か,こういう局面で俺の中ではある種スイッチが入った状態になるようだ。冷媒はヤマ勘でオーバーチャージ気味にしておいて圧力ゲージを睨みつけながら徐々に冷媒を抜いていき(今日日では違法行為だが二度手間は避けたいのだ。諸兄よ見逃してくれ!)蒸発温度が-30℃になるように低圧側の圧力を下げていく。
 果たして冷凍庫の温度計はしばらくして-15℃を指示した。とりあえず安全圏内に到達で一安心といったところ。

IMGP0334.jpg

 結局,始動リレーとコンデンサー類はベース部分の空きスペースに取付けることにした。乱雑な配線をまとめてこれにて終了の図。

IMGP0335.jpg

 こうして元々ついていた縦置きロータリーコンプレッサーと並べてみると,旧来のレシプロはいかにもでかく,効率は悪そうだ。
 試しに運転中の電流値を測ってみると,ロータリーは2A弱程度なのにレシプロだと4A強の値を示す。でかく,重く,電気は食うで悪いところだらけのレシプロだが業務用とで考えると決定的なアドバンテージはある。
 それは負荷変動への強さだ。同じ出力のコンプレッサーだとレシプロは疑問の余地なく立ち上がりが早い。今回の修理では冷凍,冷蔵共に室温20℃で始動させた。冷蔵の温度設定は0℃、冷凍は-20℃だったが設定温度の到達時間がほぼ同じか冷凍の方が早かったかもしれない。同じ機械出力でありながらこの差は何なのかと思わず笑いたくなる。 
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ヤー公が言い分を聞いてくれないので困惑する(2) [困った業者]

前回記事の続き。
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2015-09-09-1

 翌日,出勤した俺は領収書を鞄にしまい込み,露天商のところに集金に行く気満々で段取りをしていた。
 当時,携帯電話はおろかポケットベルでさえ一般的ではなかった頃なので連絡というのは全て固定電話で行われており,会社の始業直後というのはあちらこちらからの電話でてんてこ舞いになるのが日常的な風景だった。
 それで,段取りをしている最中,職場の事務員さんが俺の方をじろじろ見ながら消え入りそうな弱々しい声で応答している状態で俺と視線が合った。電話口では何か大きな声でがなり立てているのが向かいのデスクに座っている俺にもわかるくらいでかなりの剣幕らしいことは察しがついた。

 今,担当の者と代わりますので,と事務員さんは青ざめた表情で内線のボタンを押して「昨日の人,あの,お祭りの」と、しどろもどろになりながら俺に伝えたので俺は心臓が押しつぶされそうな錯覚を覚えた。
 何しろ30年も前のことなので,通話の内容がどういうものだったのかを一言一句まで思い出すことが出来ないのだが,物凄く緊迫した状況での出来事というのは人の記憶に何か空白というか穴ぼこというか,そういうものを形成してしまうのではないだろうか。
 その内容というのは,前日の修理が不首尾で状況が改善されていないから今すぐ来いというものだったことは覚えている。

 俺は物凄くダークな気分で現場に赴いた。露店の周辺には数人の筋者がいて剣呑な目つきで俺を睨みつけてきた。少しして親方が登場し,問題のひびが入った蓋は交換した方がいいのではないかと提案してきた。
 確かにそうですね,と俺は答え,事務所に戻って輸入元であるカルピジャーニ・ジャパンに問い合わせたのだが,その回答はまさかりで頭を叩き割られるくらい衝撃的なものだった。要約すると,

*そのパーツは8月現在,国内在庫がないのでイタリア本国からの取り寄せになる。
*本国はバカンスの最中で,業務の再開は9月中旬くらいになる模様。
*輸送方法は船便なので通関して入荷するのは10月末頃くらいに予想。
 
 俺は胃のあたりが鉛のように重くなった。入社して半年の下っ端社員である俺がこういう話をヤー公相手にしなければならんとは何と不遇な状況かと自分の運命を呪った。
 幾らヤー公とは言っても命まで取られるわけではないのだ,無理なものは無理と言い張れば引き下がってくれるに違いないと俺は自分を鼓舞しながらお祭りの会場に引き返した。

 しかし,凄みを利かせる露天商の迫力はそういう俺の言い分をいとも簡単に粉砕するのであった。その勢いに圧倒された俺はしどろもどろになりながら事情を説明するのだがヤー公のロックオンは大変強力で捕食する蛇のように俺を捉えて離さない。俺はもう、小便を漏らしそうな心境でヤー公の恫喝にビビりまくった。

 実はそこから先の成り行きを俺はあまり良く覚えていない。
ヤー公はとにかくこの機械を何とかせいと俺に迫って来た。
俺はその中身を一旦全部取り出し、ひびの入ったシリンダー周りの分解に取りかかった。
そこで何をやったのかを俺は思い出せないのだが、放免されたときには既に夕方になっていた。
放免された、ということは当時23歳の俺は何かをやって漏れるのを止めることができた、という事だ。何をやってしのいだのかは思い出せないが確かに俺は何かの処置を施してどうにか漏れるのを止めたのは間違いない。泣き落としだけで言い分を呑んでくれるほどヤー公は甘くない。
 ただし、前日の作業分を含めて修理代はもらえなかった。
 フローズンマシンは一台が終日使えずに売り上げに響いたのだから営業補償がないだけでも有り難いと思え、と言った言い分だったのではないだろうか。俺は物凄く疲労困憊しながらも何かしら命拾いしたような気分でグダグダになりながら事務所に引き返した。修理代がもらえなかった事について社内での叱責みたいな事は特になかったように覚えている。そりゃそうだろう。どうしても修理代をもらって来いと上役に言われでもしたら,いっそのこと退職届でも叩き付けて会社に販売責任があるんだからおまえが行って来いとか何とか怒鳴り散らしてやろうかと考えていたのだがそういうことはなかった。
 
 今はどうなっているのかわからないが本当に酷い職場だと俺は腹の底から当時の勤務先が頭に来た。一日のうちに色々なことがあり過ぎて大変緊張していたことは覚えているのだが人間,あまりテンションが上がり過ぎると所々記憶が飛ぶものなのかもしれない。(この項終わり)
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テスター貧乏 [お仕事上のぼやき]

 これまでたびたび書いて来たように俺は実によく物を紛失させる。物心ついた頃から一向に直らない悪癖だ。きっとこれは一生直らない。時たま、商売を初めて以来紛失したり盗難に遭ったりしたモノの総額がどれくらいあるのだろうかと思い出すと大いに気が滅入る。冗談抜きに、きっと中古の軽トラックが一台買えているかもしれない。

 無くすモノに比べると壊すモノはそう多くないと思う。俺は物持ちが悪くない、なくさなければ、だが。
 但しここ一年の間にしょっちゅう壊すモノが俺には一つあり、それはテスターとかマルチメーターとか呼ばれるあれだ。
 壊しては買いを繰り返し、破損品を処分しないで作業場に適当に放り投げておいたものを拾い集めてみると手元に残っているだけで4個くらいあった。ぶん投げたものも含めると6個くらいにはなっているのではないか。
 うんざり来るのはこれだけの数をわずか一年かそこらで俺は使い潰しているのだ。アナログテスターを使っていた頃は俺はもっともの持ちが良かったはずで、安物ばかりを使い続けて来たが一台買えば5年かそこらくらいは使っていたように覚えている。

 自営を始めた頃に使っていたのは共立のクランプとテスターが一緒になったやつで、俺が勤め人だった頃に買い込んだものをしばらく使い続けていた。
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 DC電流のレンジが使い物にならないくらい出来が悪かった以外は特に不便でもなく重宝していたがあるときリード線がショートして壊して以来、俺のテスターはめまぐるしく入れ替わる事になる。

関連記事名:爆発するテスター
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-04-04

 およそ一年前のある日電材問屋に行くと,フロントには見るからに安物然としたテスターが置いてあった。値段を聞くと5千円もしないという,テスターは2年くらいで潰れて買い替えることが習慣化していたので俺は飛びついた。カスタムというそれまで俺が知らなかった製造元だ。

製造元のURLは以下の通り,大変安く気の利いた機能を持つものが多い。
http://www.kk-custom.co.jp/industrial/index.html

 しかしまあ,安かろう悪かろうとはまさにこのことであると俺はその後思い知らされる。
何しろ良く壊れるのだ。5千円かそこらで買えるので潰れるたびに気安くバンバン買っているうちに、電材屋からの請求書がある時期から値がかさむことに気づいた。
 
 問屋のフロントにあったのはM-08という型式で,NCV(検電器)の機能を持つところが売りだ。抵抗レンジと電圧レンジが一緒で,AC,DCが自動判別なので横着者には使い勝手が良さそうに思えたのだがサンプルレートが低く,テストリードをあてがってから指示値が出るまで二呼吸くらいのタイムラグがあり,馴れないうちは壊れたのではないかと焦る。

M-08 http://www.kk-custom.co.jp/industrial/M-08L.html

昨年10月の終わり頃,間違ってダイオードチェックのレンジで電圧を測ってしまい,ケースの中でパチッと小さいアークが飛んで即死した。購入してから一ヶ月かそこらでの出来事だ。
 以来買っては壊れが相次ぎ,修理に出すのも阿呆らしく(修繕費よりも製品の方が安いからな)現在に至っている。今使っているのが4個目か5個目だと思う。
 今年に入ってから夏の初め頃に買ったのが同じくカスタムのCDM-16Dというモデルだ。燃焼器具の動作確認のために購入した。身近にμAレンジのあるテスターを探してみたうち,一番安いのがこのメーカーの製品だったからまた買った。

CDM-16Dhttp://www.kk-custom.co.jp/industrial/CDM-16D.html

これは夏の真っ盛りに壊れて現在二個目を使用中だ。

 これまで一年間にお陀仏になったテスターのうち三つくらいはまだ廃棄せずに手元にあったので並べてみた。
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 右から一個目のCDM-16Dは夏の最中に車のダッシュボードに数日置いていてLCDが直射日光にやられて表示できなくなった。購入してから一ヶ月目くらいだったと思う。
 真ん中のM-08は腰道具のポケットに他の道具と一緒に放り込んでおり,使おうと思って取出してみるとLCDがぶっ壊れて無惨なことになっていた。買ってから半年経っていないと思う。
 左川のM-08は先週,現場で取出してみると表示がされず,電池を入れ替えてみたがウンともスンとも言わない。購入してから2ヶ月経っていなかったのではなかろうか。

 これほどさようによくテスターは壊れ,俺はひっきりなしに買い直す羽目に陥っているわけだが幾らなんでも一年間に6個は酷すぎる。
 俺の扱いも良くないのだろうが今一個手元に残っている協立のテスターはもうちょっと丈夫だったはずなのだ。俺はここに来てこの,カスタムという製造元の品質に対して大いに疑問を持っている。一体どうなっとるのか。
 
 ほんとに,一体どうなっとるのかと思うくらいテスターがバンバン壊れまくるので俺はいい加減頭に来ているのだ。幾ら安からといったって一個4,5千円はするのだし、壊れたからといって修繕費に転嫁するわけにもいかない。こんな持ち出しをいつまでも続けていたのではただでさえ日頃金のないこの俺がますます貧乏になっていく。
 例年10月という月は万年貧乏な俺が最も金欠状態になる月で,今年もそのジンクスは生きているのだがここは一つ,長く付き合えるテスターを物色しながら月末の銀行残高次第では奮発してみたいと画策中である。
 
 カスタムの製品というのは間に合わせのために予備機として持つ程度以上のことを期待すべきではない。この一年,俺はそういう教訓を得た次第。
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以前の同僚と歳月を噛み締める [日記、雑感]

 近日中に屋外冷凍機を交換する工事があり、現場での荷受けや既存期待の撤去にユニックが必要になり、それは得意先が手配する手はずだったのだがトラックの持ち主にご不幸があり、工事に関われなくなったため急遽俺が探しまわる事になった。

 いつもながらついていない話だ。
トラックの借り出しや当日のユニックのオペレーターの銭をどうやって捻り出すか、全く頭が痛いわい。ここしばらく携わる仕事には必ずと言っていいほど何かしら切羽詰まった用件がつきまとう。

 悩ましい気分で思案を巡らせているうちに俺はある人物の事を思い出した。
彼は俺の最初の職場で俺と同期入社した同い年の同僚で、俺はサービス、彼は営業で同じ営業所に配属され新入り同士一緒に組んで仕事に携わっていた事がある。住まいは会社で借り上げたアパートで同居しており、その生活は大体一年くらいだっただろうか。

 俺は入社後4年くらいでその職場を退職し、それから一年くらい遅れて彼も退職し、故郷の実家に戻り、家業である製材販売の仕事を継いだ。
 偶然、俺と彼は隣町に住む者同士で、お互い退社後、断続的に顔を合わせて飯を食ったり他にも色々関係は続いたがここ数年は疎遠な状態が続いていた。

 仕事の合間を縫って俺の仕事のサポートをしてもらう事もあり、クレーンのついた4トントラックを所有していたので納品現場で随分助けてもらった事を思い出したのだ。数年ぶりにバイトというか小遣い稼ぎの相談でも持ちかけてみようかと俺は途中で缶コーヒーを買い込み、なんだか懐かしい気分で車を転がした。

 最後に彼の職場である製材工場を訪ねたのは4年くらい前だったと思う。元々大して大きな町でもない俺の生息地だし、記憶力は人並み程度に働くはずの俺なのだがどういう訳か何度も訪ねた製材工場の所在がはっきりしない。見慣れた土場があったはずの場所は違う風景になっている。
 違う風景、というのはそこに別の新しい建物があるのではなく、あったはずのものが中途半端になくなっているという見え方で、俺は何だか腑に落ちない気分で車を降り、辺りを見回した。
 するとその場所、以前は製材工場があった土地の奥には車庫のような小屋があり、そこに腰掛けている人物と目が合った。
 その男は俺に向かって手を振って来た。ここ数年視力が衰えて来た俺が近寄り、目を凝らしてみるとそれは以前の同僚である彼で、4年ぶりの再会と相成った。

 仕事場の変わりように俺が戸惑っていると、以前の土場は漏電火災によって焼失してしまったのだと彼は話し始めた。およそ3年前の事らしい。
 3年経っても焼失した作業場は再建される事がなく、製材の業務は現在行っておらず測量用の杭などを細々と作り続けているらしい。何度もご厄介になったクレーン付きの4トン車が見当たらない。俺はそこに何か、詮索すべきでない経緯がある事を読み取った。

 それから俺たちは雑然とした車庫で椅子に腰を下ろし、しばらく近年の色々な事を話した。
4年前にここを訪ねた時、それは俺が色々な要因があって自分の商売が左前になりかかり、あわや廃業とか自己破産とかいう局面をどうにか切り抜けた直後での事だった。その後1年くらいの間に今度は彼の身辺に色々と痛々しい出来事が続き、周りの状況は冷え込み、陰惨さを増していったようだ。俺はそれをここで仔細に書く事はしない。
 
 話題が俺たちの以前の職場の現状に及んだ時、彼はああいうやり方が結局正しかったのだな、と述懐した。辞めないで居続けた方が良かったんじゃないか、と冗談混じりに笑った。
 それはどうかと俺は切り返した。今でこそ盤石の地盤でスマートに組織立ったペンギンマークだが、俺たちがぺーぺーの新入社員だった頃などは絵に描いたようなブラック企業で、まるで新興宗教か軍隊みたいなその社風はとてもじゃないがまともな感覚の持ち主が長く勤まりそうなものではなかったはずだ。現に、俺たちが相次いで退社した頃に在籍していた社員で今でも勤まっている人などどれだけ残っているか。
 会社がのし上がる過程で無慈悲に使い潰されていく無数の人柱があったのは間違いなく、俺や彼は確かにそこに該当していたのだ。時間の経過が怨嗟を薄めた、そういう事ではないのか。

 彼はその業界から離れ、俺は転職を繰り返して留まり続ける違いはあるにしても、かつて俺たちの職場であったあのペンギンマークは今や押しも押されもしない業界内でのエクセレントカンパニーである事は間違いない。その認識は一致点であり、俺たちはどちらからともなく複雑さを込めたため息をついて少しの間黙り込んだ。

 柵から飛び出し、痛い目に合い続けて多くのものを失い、しかしそれでもこれから先の時間は続いていく。あとどれくらい続いていくのかはわからないが。

 しかし、多少気障な言い方をさせてもらうならば、明けない夜はないのだと思いたい。
俺が窮地に陥ったときに差し伸べられた救いの手は確かにあり、そのおかげで今はどうにか一抹の光明が見えつつある時間がいずれ彼にも訪れるはずだと俺は思いたい。

 何か手助けになれそうな事があれば言ってくれと俺は暇を告げた。
少しの間感慨に耽り、本筋の用件を思い出して俺は慌ててあちこちの心当たりに電話をかけまくり、工事の段取りを再開する。
 
 何だかほろ苦い味のする道草だが、たまにはこれくらいいいではないか。徒手空拳で日々を過ごす野良犬同士、いずれどこかでゆっくり飯でも食いながら一年寝食を共にしていた頃の思いで話にでも浸ってみようか。
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局所的に時間差大雨の不条理 [日記、雑感]

 今日、日曜日も俺はお仕事だ。
本当であれば釣り大会にエントリーしてバーベキューでもやりながら参加者同士、釣果についてああだこうだと歓談しているはずのところがこんなことになってしまったのはあれこれ経緯があってのことだ。

9月18日の金曜日から話を始める。
夕方から降雨が激しくなってきたこの日は早朝から結構立て込んでいたので早めに切り上げておこうと思っていたのだがこういうときに限ってどん詰まりになってからバタバタと依頼が立て込んでくるもんだ。
 その中の一軒には某デリバリーピザの店舗からトッピングテーブル(コールドテーブル)が冷えないというのがあった。
 俺が勤め人だった頃、20年近く前に施行した現場で、特注品のトッピングテーブルは問題が多く、その後俺はあれこれと改造を繰り返して今に至っている。午後9時頃にならないとその日抱え込んでいた修理が片付かない見通しで、訪問してみると膨張弁の高圧配管接続口からの冷媒リークが認められた。

 ガス漏れは止めたが冷凍機はアウトドアユニットであり、降雨下での冷媒チャージは避けたいところだが店舗の従業員は何が何でも今冷えるようにしてくれ、商材がダメになったらどうしてくれるんだだとかと分けのわからん我を張る。こういう、自分の都合しか考えていないバカは俺を大いに怒らせる。
 それじゃああんたの無理強いに従って雨天下の作業で俺の商売道具が壊れたら弁償してくれるのかと投げかけるとへらへら笑いながら黙りこんだ。

 ほんとに根性のない奴だ。

 立場を笠に着て他人にごり押しするんだったら何が跳ね返ってくるのか自分もそれなりの覚悟くらい決めてからものを言えよバカ野郎が。
 あんたは所詮給料取りの雇われ人で、俺の商売道具がいかれた時の弁済を請け合うだけの裁量はない程度の野郎なのだな、俺は修理が終わったらあんたに無理強いされた作業で商売道具が使い物にならなくなったから弁償してもらうと一筆加えて請求書を書きたいから名前を教えろと迫ると「それは会社に言ってください」とか言いおいて奥に引っ込み、どっかに電話をかけ始めた。
 
 俺はこのバカを絞め殺してやりたい気分で後からどんな障害が出ても知らんからなと伝え、雨の降る屋外に出て冷凍機をいじり始めた。
 それで冷媒を入れ、冷凍機の電源を入れてみたのだがうんともすんとも言わない。マグネットスイッチのプランジャーを押し込んでみるとコンプレッサーが動くには動く。雨降りの中でこんな事をしなければならんのかと思うとあらためて頭に来た。
 何らかの理由で保護停止がかかっているわけだ。雨天下の深夜で作業としては最低の条件な上に俺は朝から働き通しだったりその前のバカタレとのやり取りなどで気が立っている。
 冷静さを取り戻すよう自分に言い聞かせながらライトで冷凍機の外装版に貼付けてある回路図を照らしてみると、紙が風化してしまっていてまるっきり判読できない。
 金曜日の午後10時過ぎとなるとメーカーに問い合わせて資料を取り寄せるなどできっこないから今日はもうダメだと俺は伝えた。
 大体,深夜,降雨の中で電気配線の断線補修など命知らずもいいところで,7月の末には元の勤務先で社員の感電による死亡事故さえ起きているのだ。商売道具どころの話ではない。俺が死んだらあんたらどう責任取るんだと詰め寄ったところで客はようやく引いて、翌日に持ち越しとなった。得意先を出ると既に日付が変わりそうな時刻で,俺はグダグダになって眠ることを決め込んだ。

 翌日9月19日は朝から雨がやまず,一日中降り続ける模様というのが天気予報の示すところだった。
製造元の三菱電機は当然休業日で,読めない配線図はネットからダウンロードできたので件のピザ屋に出向いたが雨の勢いが一向に衰えないので残念ながら当日の屋外作業はNGで翌日に持ち越しとなった。当たり前の話だ。
 「持ち越しとなった」と文字で書けばそれ迄の話だが,翌日20日の日曜日には釣りの大会があり,俺はそれにエントリーしていたので俺は泣く泣く断りの電話を入れて参加費だけを納めた。
 俺のように老人の少し手前くらいの年齢になると夜なべ仕事は本当に翌日に堪える。家でウダウダしていると近所の親戚から電話が来てまた野暮用で駆り出されて深夜に迄及んだ。結局全然休めないわけだ。

 それで本日雨上がりの晴天となり、満を持して俺はそのデリバリーピザ屋さんに出向いた。勘所のコンプレッサーが生きてさえいれば何とでもなるわい、と俺は結構ボルテージが上がっていたのだ。
 店長殿は俺が私用を断って日曜日出向いてきたことに恐縮そうだった。さすがに一昨日の腐れバイトよりはバランスの取れた人格だわな。
 メーカーが休みだろうが部品がなかろうがコンプレッサーが生きていて配線図さえあれば俺が何とかしてやろうじゃねえか,と俺は豪快に大風呂敷を拡げて勇躍,室外冷凍機の配線補修に取りかかった、がしかし、だ。

 冷凍機のケーシングをはずして中の配線を調べていると何だか頭にぽたぽたと水滴が落ちてくる。雨上がりの晴天のはずなのにどうしたことかと軒先を見上げると水滴の落下が勢いを増して雨のようにバシャバシャと降ってきた。
 配線に水がかかると後々厄介なので慌ててケーシングをかぶせて屋根を見ると,どうも局所的に屋根から雨水が落ちて来るようだ。
 その場を離れて空を見上げるとやはり天気は良い。
 軒先からの雨だれが収まりかかったので作業を再開すると幾らも経たないうちにまたボタボタと水が落ちてきて俺の頭はすぐにグチョグチョに濡れた。
 慌ててその場を離れると雨だれが収まり,作業を再開させてエンジンがかかり始めると大雨みたいに軒先からジャンジャン雨水が降ってくる。
 しかも腹立たしいことに,俺が作業しているスペース,幅にして1メートルと少しの範囲でこの現象が起きているようなのだ。
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 軒先の庇を見上げると、この現象はごく限られた場所でだけ起こるもののようで,雨だれの跡がついている。
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 しかも俺が20年近く前に据え付けた冷凍機がこのむかっ腹の立つ現象のスイートスポットにあるようだ。
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 説明するとこうだ、この建物はもともと食料品店だったのだが店舗の屋根は水平な造作で,普請が古いので屋根が凹んでいる。
 そこで雨が降ると屋根のあちこちに水たまりが出来るのだが,その後風が吹くと溜まった水が庇の一番たわんだところに向かって押し流され、その直下に俺の取付けた冷凍機がある。だから今日のような大雨の後の晴天時にはトッピングテーブル用冷凍機の幅の分と少々の範囲だけが雨降りのような状況になる。

 冷凍機に取っ付いてあれこれ配線を調べ始め,本調子になりかかったところで上からドバーッと水が流れてくる,慌てて離れて収まる迄待ち,また取っ付いては軒先から垂れて来る水を頭から被るの繰り返しで仕事がさっぱり捗らない。まるで屋根の上にプールでもあるんじゃないのかと思えるくらい際限なく雨水が降ってくる。
 傍から見ているとかなり間抜けというか質の悪いドタバタギャグみたいな情景だろうが、自分がその当事者となると笑い事ではない,というか何とも説明しようもなく無性に頭に来るのだ。

 断線補修というのは元々,時間の読めない作業だが,最後は頭に来て作業を強行して続行し,ケリがついた時には午後1時半頃になっていた。滞在時間は3時間以上でこんな目に遭わなければ半分以下で済んだはずだ。あんまり頭に来ていたので昼飯を食うのも後回しになっていたことに終わってから気づいた。
 考えてみると頭のてっぺんから爪先まで水浸しになりながらよく感電しなかったもんだと妙に感心したが,帰宅する途中で寄ったコンビニで濡れ鼠の俺は結構客や店員には奇異に見えたようで何だか視線が痛かったぜ。

 いやしかし,考える程についていないというか頭に来る。本当に頭に来る。
20年近く前にその雨だれの起きる範囲から外れたところに冷凍機を据え付けておけば良かったではないかという諸兄のご指摘は当然あると思うが,周辺をどう見てもその場所にしか設置できそうな場所はなかったのである。

 俺は自分の人生にはツキがないことを色々な機会に思い知らされるのだが,こんな風に20年も経ってから口を開けて待ち受けている落とし穴もあるのだから人生わからんものだ。
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ヤー公が言い分を聞いてくれないので困惑する [困った業者]

 俺は常々,この業務用厨房の業界というのは本当にクソ体質だと言い続けている。30年以上も前から思い続けていていまだにさっぱり改善されないどころか悪化する一方だ。
 管理者画面で過去記事を眺めているうちに思い出したことがあったので書き残しておく。

関連記事名:バカンスのあおりを食う
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-08-22

 俺は23歳で世間様にデビューした。最初の職場は某ペンギンマークのサービスマンだった。しょうもない職場であり,仕事だな,というのは入社してから幾らも経たないうちにわかった。というか,会社訪問した時点で(これはしくじったかもな)と気持ちが冷えたのは事実だ。
 ある営業所に配属されて修理に回るようになり,青二才であるがために随分色々な失敗を積み重ねた。営業所というのはつまり商事会社であって,売り上げになることなら何でもかんでも見境なく手を付けるところだということもその頃知った。

 ある時,あれは夏の終わり頃だったと憶えているが,フローズンマシンというものの修理が俺に振られてきた。当時駆け出しの俺はそれが一体どういうものなのかがさっぱりわからないまま上役に言われた場所に向かった。
 口頭説明によればフローズンマシンとは溶けかかったみぞれアイスみたいなものを作る機械なのだそうで,取り出し口の蓋から中身が漏れるので修理しといてくれと実に簡単そうに言われたわけだ。
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画像は本文とは関係ありません。


 車を転がして現場に到着し、車の前で言われた通りに待っていると何だか普通でない雰囲気のあんちゃんに声をかけられた。夏だというのに長袖シャツを着ているので俺は不審に思った。
 それで,機械はこっちにあるから見てくれと言われるままについていくとそこはお祭りの露店が並んでいる往来で,その人物とは露天商,別の言い方をすればテキ屋のヤー公だったことを俺はその時初めて知ってぶったまげた。

 働き始めてまだ半年かそこらのこの俺に,一体全体なんでこんな仕事が振られて来るのかと悔しい気分になった。相手がヤー公だとわかっていて,しかもそのことは隠しておいて新入社員の俺に社外品のこんな修理を押し付けるとは本当に汚い野郎だと俺は不愉快になった。
 実は,できればこんな仕事は願い下げにしてもらいたいと思い俺は社外品なので良くわからないと断りかけたのだが、その時長袖シャツのあんちゃんは腕をまくり上げて俺を睨みつけ,露店の奥にいたもっと物騒な感じのオヤジを連れてきた。もう,誰が見ても一目瞭然の本職だ。第一,そのオヤジの手には指の欠損がある。

「社外品だろうが何だろうが、俺はこの機械をお宅の会社から買ったのだから販売責任として修理はしてもらわないと困る」といった内容のことを本職は凄みを利かせながら俺に告げ、(もう逃げられない)とか(どうしよう)とか言う文句が俺の頭の中で渦巻いた。物騒なムード満載のオヤジだが言い分は筋が通っているので断りようもない。
 観念した俺がそのフローズンマシンを見ると,イタリア製,カルピジャーニの,商品名はもう忘れたがとにかく初めて見るものだった。シリンダーの蓋、取出し用のピストンが上下動する部分に亀裂があり,中の何と言うか,先に書いたように溶けかかったみぞれアイスみたいなものがジワジワと漏れている。
 俺は何をやっていいのかもわからずにとにかく,何とかその場しのぎが出来ないものかとない知恵を絞り,アクリル製の蓋の水滴を拭き取ってヒビの入った箇所にボンドだか何だかを塗りたくり,一応漏れが止まったようなのでその場を凌いで伝票を切り,翌日集金に来いとその物騒な感じの親方に言われてその場を逃れた。

 夜になって事務所に戻り,上役に成り行きを報告し,ああいう稼業だけどお金はちゃんとくれる人だからと言われて何となく安心し、翌日何が起きるのかも知らずに当時23歳の俺はアパートに帰って晩飯を食って寝た。(この項続く)
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ざまあみやがれ! [日記、雑感]

 毎日毎日胸くその悪くなるような出来事ばっかりだがたまには嬉しいニュースもある。

記事名:ワタミ、身売り話も飛び出した三重苦の実態
http://toyokeizai.net/articles/-/83206

 本来、業績悪化だの閉店だのには同情の気持ちが大なり小なり起こるものだが、この件については全くそうならない。ワタミなんかとっとと潰れてしまえ!赤飯炊いて祝ってやるぜ!
 大体、国会議員から村会議員に至るまで、飲食業に携わりながら政治の世界に乗り出してくる奴にはろくな奴が居ない。俺の知る限り一人の例外もない。

 渡邊美樹その人について俺が今更言うべきことはない。今から8年くらい前になるのだったか、何とか教育審議会とかいう政府絡みの諮問機関のメンツの中に確かこの男は入っていた。当時俺はどうして居酒屋チェーン社長がそんなところに居るのかを妙に思ったものだが同時に、直感したのは、この男はきっと本来的にキチガイみたいに上昇志向が強く、居酒屋チェーンの経営者であることは成り上がり者にとっては過程のうちの一つに過ぎないのだろうな、そしてこの男はいったい何を目指しているのだろうか、どうせきっとロクでもない者になりたいのだろう、という胡散臭さだ。何と言ったって今をときめくこの男の取り巻きだからな。
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 誰かの周辺に集まる者には必ずどこかしらその人物と共通する属性がある。これは俺なりの経験則であり鉄則だと思っている。
 案の定、居酒屋チェーンの経営者はやれ農場だ、やれ介護ビジネスだ、やれ国会議員だとやたらめったら害毒を拡散し続けて挙げ句の果てには学校経営にまで首を突っ込んできた。
 安月給で若い者を過労死するまでこき使い、荒稼ぎしたタネ銭で国会議員にまでなっていい気になって夢だの何だのをほざくこんな野郎の教育論など噴飯ものに決まってる。
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 物心がついて以来俺はいつも、どこにいても風変わりなことを言うマイノリティとして退けられたり無視されたりを続けてきたように覚えている。
 だから俺はこういう、上からおっ被さるようにして力づくで無理矢理全員を束ねて言いなりにさせようとする奴らが本能的に大嫌いだ。他人を家畜みたいに扱って何が何でも自分の号令通りに動かそうとする一方的な奴らが嫌いだ。たとえ百回生まれ変わってもこんな奴の経営する学校の生徒になどなりたくはない。

 しかしまあ近年、「偽善者」という言葉がこれくらい似つかわしい輩もそう沢山いないのではないだろうか。
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何が、(ありがとうを集める)だ!

 良くもまあこんな白々しい台詞を恥ずかしげもなくひけらかせるもんだと白けるばかりだが、これは感情論ではなく、現実問題としてこの男が世界中のありがとうを集めれば集めるほど被害や迷惑を被る人々をワンサカ生み出す。俺は自分の体験としてそれを実感しているからこういうことを断言できるのだ。

 俺はワタミグループなどというのは年商があって従業員の頭数がそれなりに多いということ以外は本当にお粗末なストラクチャーで、しょうもないハリボテみたいなものでしかないとこれまでずっと考えてきた。
 安売り濫売で同業者を干上がらせることで業績を拡大していく、その安売りを可能ならしめているのは従業員を安い給料で死ぬほどこき使うとか出入り業者や協力会社を値切りまくり、何でもかんでも面倒臭いことは外部に押し付けて経費を切り詰めることでなされているに過ぎず、そんなのは組織体として決して強くはないし、一流とは言えないと俺は考えている。
 渡邊美樹のような男が優れた企業経営者としてもてはやされるような風潮を俺はこれまでずっと苦々しく思ってきたがなんだかすっきりするニュースだ。
 ただ、最初に居酒屋を開業するタネ銭を稼ぐためにこの男は佐川急便のセールスドライバーとしてキチガイみたいに働いて一年間で三百万円貯めたという、その事実については俺は無条件にこの男を尊敬している。見習うつもりはないけどなw

俺は呑気に生きたいのだよw

 外食産業としてのワタミがどうしようもないと俺が実感した出来事についてはそのうち記事にしたい。
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ジャンパー線の使いこなしによる応急処置の例 [含蓄まがいの無用な知識]

 誰かの受け売りをここでさせてもらうと、技術というのは決して全てを可能にするものではない。どこ迄が可能であるかを正しく把握している,技術というのはそういうものだ。

 これ迄何度も書いてきたように,不良パーツの交換を行っているだけの者を俺は技術者として認めない。それは単なるねじ回しの作業員であってworkman(ワークマン)といい,Engineerではない。
 当然ながら厨房機材の使用者などという人種の殆ど全ては自分のところに作業衣姿で修理に現れる人物が作業員なのか技術者なのかを無抜く眼力はない。

 毎度頭に来るのは「応急処置でもいいから何とかしてくれ」という言い草で,無理解もここに極まるというか,俺にとっては本当にモチベーションが低下する。
 低下はするがだからといって(あんた達のような者達に俺の仕事がわかってたまるか!)と啖呵を切ってケツをまくる程俺は仕事に恵まれていないから金のために自分の出来ることはやる。

 某国立病院に導入された松下電工の温冷配膳車のことをこれ迄何度か書いた。納入した厨房屋はうまい具合に売り抜けてある時期から俺に修繕の依頼が来るようになった。が、製造元の松下電工は大変閉鎖的な体質で身内のサービス会社以外の者がいじることを快く思わないらしく,補修パーツの提供どころか配線図を見せてもくれないしエラーコードの意味するところも教えてくれない。

 こういう状況下で,10年落ちの個体を修繕しなければならないのは結構きついし、きついことをしてもらっているという意識も依頼者の側にはなさそうだ。
 いっそのこと俺などはお役御免にしてもらって松下にメンテを見てもらえばいいじゃないかと突き返したこともあったが,修繕費が半端ないからあんまり頼みたくないのだそうで、まあ何とも身勝手な話だぜ,と,ぼやきたくもなろうってものじゃねえかよ。

 10年落ちともなるとさすがに厄介な故障が頻発してくる。今回手がけたのは自走式(DCモーターで走行する)の温冷配膳車で,俺の知る限り大体の使用者は減価償却が済むと厨房屋の勧めに従ってリプレースの予算作りに取りかかるようだが,某国立病院はそうならない。
 脱線するが最高の殺し文句が彼らにはある。「血税で購入した固定資産なんですから」というのがそれだ。今のところ,これを切り返す文句を俺は捻り出せずにいる。

 ここでようやく本題。
2.gif

画像は本文とは関係ありません。

 症状としては以下の通り。
(1)温蔵室3室のうち一つにエラーが出て加温されない。
(2)冷蔵室が3室とも冷えない。

(1),(2)とも電磁接触器が働いておらず,ヒーターなり冷凍機なりが運転されないわけだが,問題を切り分けるためには配線図と実体の照合をしながら考えたい。ところが機体に配線図は添付されていないし松下電工に問い合わせをしても見せてくれない。使用者から問い合わせをしてもらってもNGでとにかく社内の決まりで配線図やサービス資料は部外者には見せられないのだそうだ。

 松下という電気屋は元来閉鎖的な体質で俺はいけ好かないところがあったが,予想通りというか予想以上というか,そんなに高尚なものなのかよ,一体何を出し惜しむことがあるか。

 結論みたいなものを先に画像として上げておく。
IMGP0319-1.jpg

 電磁接触器が4つ並んでいるうち左端は冷凍機のスイッチングを行っており、残り3つはそれぞれ温蔵室のヒーターを開閉している。

症状の(1)で加温されない温蔵室は右から2番目の電磁接触器がヒーターの開閉を受け持っており,今回の症状ではこの電磁接触器が働かないので加温されない。以下

*温蔵室のサーミスタに断線や短絡は認められない。
*ヒーターの断線は認められない。
*過昇温保護は働いていない。
*電磁接触器の接点に損傷はない。
*リレーコイルに(この場合はDC24V)電圧がかかっていない。
という点検の流れに従い,温調機能に不具合があるため電磁接触器を働かす信号が出ない。という所見に至り,根本的には消去法で冷蔵温蔵を一括して制御する基盤に問題があると判断できる。

 先に書いたように製造元はこの温調用の基盤を売ってくれない。加えて配膳車にはバックアップがないのでこの個体を何とかして次の配食迄にヒーターが働くようにしなければならない。
 
 応急処置としては左隣の正常に温調機能が働く温蔵室の接触器からリレーコイルにかかる電圧DC24Vを取出し,故障箇所の接触器をパラレルで操作させる。不具合のある温蔵室のヒーターは隣の温蔵室と同じ設定で動作することになり本来的な動作ではないが,全く加温されないよりはまし、とここでは割り切らざるを得ない。

 上の画像では黒い被覆のジャンパー線に黄色いビニールテープを貼付けてその目印としている。

 おつぎは冷蔵室の不具合。
このケースでは電磁接触器の接点に損傷があり,二次側で単相運転となるため過電流保護が働きコンプレッサーが運転されない。
 対処としてはジャンパー線により3回路のうちの1回路を短絡し,2線切り回路として仮処置とする。まあ,常套手段だ。
 俺の生息地は田舎町で,電材屋に行ってもDC24Vのマグネットスイッチなど在庫しておらず取り寄せとなるので時間稼ぎのためにこういう処置を取る。
 負荷電流の流れる箇所なのでどんな電線でもいいというわけにはいかない。あいにく手持ちの電線が0.75mmしかなく,容量に不安があったので(画像での茶色い電線)2本パラレルにして本来の太さである1.25mmに近づけている。

 冷蔵室の不具合については困った付録があり,冷凍機は運転されるようになったが冷媒漏れが発覚し,冷媒を補充して調べてみると3室のうちの一つ、膨張弁の配管溶接箇所からガス漏れが認められた。

 そんな具合に,先の課題を残しつつも当日出来る処置としてはここ迄。
修理屋があらゆる機材の,全ての補修パーツを常時携行して何でもかんでもワンストップでその日のうちに解決してくれるなんて思うなよ! 文句あるか!!
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ボックスタイプ食器洗浄機のドア修理 [修理屋から見た厨房機材]

 今日,ボックスタイプの食器洗浄機を選定する際に洗浄セクションのレイアウトストレートであるかL字型であるかによって形式を指定することはもうない。
 俺の知る範囲でいうとどの製造元も現在ではボックスタイプの食器洗浄機は3方開きのドア形状ばかりなので作業ラインのレイアウトがどうであれ単一の機種で用が足りるからだ。

 製造元としてはストレートとコーナーとで二つの形式を製造するよりも生産時の効率は良くなるのでそれは商品のコストを下げる働きがあるのだろうし,使用する人にしてみれば突っ立っているフレームがなくなるので作業性は良い。今や2方向開きの無骨な食器洗浄機など用なしというのが趨勢だろう。

 しかし物事,光があれば影を生むもんだ。
単純に二本の樹脂レールの間を平たい板が上下するだけの二方向開きと違い,3方開きはドアローラーを多数使ってレールの間を滑走させるので色々な意味でデリケートな仕掛けだということを使用者は頭に入れておいた方がいい。
 ドアローラーやレール(樹脂製が多い)が破損してドアが引っかかって動かなくなり,使用不可という状況が3方開きでは起こり得るが旧来の2方向では起きない。開閉が渋くはなるが動かなくなることはない。

 3方開きのボックスタイプの食器洗浄機がドアレールやローラーの破損を起こした場合,下の画像のような風景が現れる。
IMGP0246.jpg

 某総合病院の職員食堂に俺が15年くらい前に納めた個体の修理風景である。作業時間にして2時間から3時間,費用にして大体5万強から6万の間くらいは覚悟しておいて頂きたい。
 実際、ドアを取り外すのは結構難儀な作業で一人で行う分には結構な馬力を要するし、楽をしたいと思って作業補助の人手を頼めばその分修繕費は跳ね上がる。

 IMGP0248.jpg

 ドアローラーを新旧並べてみる。右側が劣化したローラーである。ローラーの素材はデルリンであるが,長期の使用によって摩耗しているだけでなく,成形時に混ぜ込んだ可塑剤は抜け切っておりぽろぽろと簡単に欠ける。

 60℃以上のお湯が循環しており,それには今日アルカリ性の洗剤が含まれているという使用環境を考えるとこういったドアローラーにデルリンが向いていないのは明らかだが,だからと言って最適な素材がなかなか見つかりにくい現実もある。厨房機器メーカーなどというのはどこも大した見識はないので何でもいいから安上がりな素材をそこら辺から買い込んできて組み込んでいるのが実情だと俺は見ている。

 ドア周りの造作についてはEU圏の製品(主にドイツ製)ではこの手の障害に出くわした記憶がなく,いずれ機会があれば構造や材料などを調べてみたいと思っている。
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HOBART FTNのポンプ交換 [日記、雑感]

 ブログを休んでいた間の出来事というか、手がけた修理のことを記録しておく。

 某総合病院で稼働中の食器洗浄機は以前このブログで取り上げたことのあるホバートの製品(ドイツ)で、納入業者は北沢産業,稼働歴は8年目になる。
 以前にも修理がらみでゴタゴタに巻き込まれたことのある因縁つきの個体だ。

関連記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-02-16

 以前の修理依頼では第二タンクのポンプが断線し,これは納入業者の北沢産業が交換したのだが今回は第一タンクのポンプがいかれた。
 どういう理由で俺のところの修理依頼する気になったのかはよくわからないが,金になることなら過去の不愉快な経緯を押さえる程度には俺も大人のつもりでいる。

 この個体は導入後6年で第一タンクのポンプが断線し,8年目の今回はベアリングの劣化による騒音発生から始まって運転温度が上がり,モーターコイルが内部ショートした模様である。
 以前のモデルのFTXは過去,幾つかの個体を整備していたがその頃にはなかった事象であるがモデルチェンジに伴って使用するモーターが変わったようにも見えない。

 交換作業を振り返っての雑感みたいなことを書くと,国内メーカーの製品でのポンプ交換に比べると大変楽な作業だった。
 以下,作業時の画像を脈絡なく貼付けてみる。

IMGP0265.jpg

 FTNの洗浄ポンプは定格2.2kwとなっているが、国内製品に使われる電機メーカーの汎用モーターに比べると小型であり,モーター部分は1.5kwくらいの外寸だ。とは言えしかるべき重量はあるので一名作業の時にはモーターを支持するための補助材を必要とする。
 今回は筐体を利用して2x4のスタッドを使って支持した。現地法人のサービスマンはパンタグラフジャッキを使うのだそうだ。

IMGP0264.jpg

 ポンプの脱着に作業補助の人員を必要としない大きな理由はケーシングがステンレスで出来ているからだ。国内汎用ポンプの鋳物のケーシングに比べると呆気ないくらい軽い。ついでに書くと国内厨房機材のメーカーでこれと同じケーシングを内作出来るメーカーは恐らくないと思う。
 上の画像はケーシングの内部を組み立て終えたところ。インペラーは流用する。画像では見づらいと思うが3mmくらい厚い板を折り曲げて溶接したもので強度は半端ない。溶接などして耐食性に問題はないのかと考えたことがあるがこれまでの経験から言うとFTXのインペラーで溶接箇所がばらけてしまったことはない。

IMGP0262.jpg

 新旧ポンプを並べてみたところ。修理代を抑制するために古いケーシングは流用するが取り付け後の試運転では特に水漏れはなく,精度や強度の高さを実感させる。

IMGP0263.jpg

 EU圏のメーカーの製品は全般的に日本国内の配電事情とそぐわないところがあり、本国で使用している時の耐久性を保てないことが多いが、勘所というか骨格部分の出来の良さは国内メーカーが恐らく100年かかっても追いつけない。
 ポンプをマウントする際に国内製品の大半はボルト穴がずれていたり取り付け面のフランジから水漏れが起きたりすることが多いがこれは板金の材質が悪かったり加工が悪かったりするせいで、数年稼働した食器洗浄機というのはほぼ例外なくタンクが歪んでいる。
 画像にはタンクの突き合わせ部分をアルゴン溶接した跡が写っているがこういう溶接ができる組立工を抱えているメーカーは国内メーカーには全くと言っていいくらいいない。

 IMGP0267.jpg

 ポンプをタンクにマウントしたところ。この上からケーシングのフランジがナット締めされることになるが,取り付けはシビアでインペラーとフランジが擦れてロックしやすく,1ミリ以下での微調整を繰り返しながらフランジ位置をずらし、ちょうどいい取付け位置を探す。実のところ一連の作業の中で最も神経を使うのがここで,時には輸入元でさえ嫌気がさしてフランジをサンダーで削るという荒技で決着を付けることがあるという。今回俺もその誘惑に駆られたがどうにか乗り切った。

 作業開始が午後8時半で終了は確か午前1時を過ぎていたと思うが,所要時間の半分近くがこのインペラーとフランジのあたり調整に費やされていたと記憶している。
 最後の最後に落とし穴というのも疲れるもんだぜ。俺もいい歳なんだからもう少し楽に終わらせて欲しい。
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人為的にして作為的な [困った客]

 もう大体20年くらい前からなのだろうが、空冷式冷凍機のコンデンサーフィンが詰まると凝縮不良が起きて冷えなくなるのは冷凍の理屈のうちイロハのイといってもいいくらい一般に敷衍されたものだとある頃からの俺は思うようになった。
 実際,俺が駆け出しのあんちゃんだった頃に比べれば使用者はコンデンサーフィルターの清掃を手がけるようになってきたし,それなりの運転時間が経過しての修理業者によるコンデンサー清掃にしても経費請求はしやすくなった。コンデンサーの凝縮効率が良いというのはどういう状態であり、良い状態を維持するためには手間なりお金なりがかかり続けることが周知されてから大体20年くらいになると言い換えてもいいだろう。

 しかし世の中は広く,色々な人がいる。
機材は大概の場合、基本的には使用者のものだから何をどうしようが、その結果何が起きようがそれは使用者の責任に於いて好きにすれば良く、例えば俺のような外部の修理業者があれこれ口出しする筋合いのものではない。知識なり技能なりがありさえすれば使用者の方自身が修理するのも十分ありだという持論だって俺にはあるのだ。

 自己責任によるメンテは大いに結構。上手くいけば修繕費も浮くしね。わかることは何でも教えますよ、と、日頃常々俺は得意先に伝えているし、事実、いじり方を俺から聞き出して機材の修繕をある程度行う使用者の方はいくらか居る。
 それではおまえの仕事が減ってしまうではないかと心配される人もおられるだろうが心配はご無用であって、俺だって一応はプロの端くれで、だてに30年以上もこの世界で飯を食っている訳じゃないのだ。片手間の機械いじり程度では踏み込めない領域というのはやっぱりあるのだよ。

 それで、正しくない理解のもとに自分のところの機材をいじると何が起きるかの悪しき実例を俺はここで晒そうと思う。
 
 今年の春頃だったと思うが、得意先の某コーヒーショップから製氷機の氷ができない旨のコールを受けて俺はなんだか腑に落ちないものがあった。
 大型スーパーの一角にテナントとして構えているその店は10年近く前にある方からご紹介していただいた得意先で、当時でいうと10年落ち(ということは現在は20年落ちくらいということになる)のホシザキの製氷機が稼働しており、ある経緯があって俺のところに修繕の依頼が来るようになった。

 以来俺は他の機材の修繕も含めて取引を続けさせていただいている訳だが、件の製氷機は2年ほど前にコンデンサーに堆積した埃を洗浄しており、それ以来結構いいコンディションで動き続けてきたはずなのだ。
 しかし電話で色々状況を尋ねると、どうも凝縮不良が起きているらしい。コンデンサーファンモーターがいかれている訳でもなさそうで、これは現場を見てみないと判断がつかないな、と俺は考えた。

 それで現物の機械室カバーを外してみて俺は目を丸くした。諸兄よ、この通りだ。
IMGP0242.jpg

 3列くらいは直してみたがコンデンサーフィンがものの見事に潰れている。まるでこてをあてがってならしたようにコンデンサーの表面は真っ平らで、アルミの地金の真っ白い色をしているではないか。凝縮不良の原因とはこういうことなのだ。

 潰れたフィンを起こして立てればこの不具合は解消するのは容易に察しがつくのだが、一体全体どこの誰がこんなふざけた真似をやらかしたのか。何をどう考えても自然に起きることではない。
 そして当然ながら、文字通りこれはただでは済まんぞ、と俺は多少忌々しい気分になった。修繕の労務は俺のギャラとして割り切ればいいのだろうし、そもそも俺の製氷機でもないのだからあれこれ文句を言う筋のものでもないのだが、このまま放置されていればコンデンサーファンモーターやコンプレッサーにまで障害は波及しかねない。何せ20年落ちの個体なのだから何があってもおかしくないロートルにこういうふざけた真似をするのはなんでだ?
 俺は店舗の主と従業員のおばさんにそれぞれこういう状態は作為的に何かやらかさないとならないもんだと説明して問い質したがどちらもそんな真似をした覚えはないとしらを切る。あり得ない話だ。

 単純労務ではあるがそれなりに時間を要する作業になるから修繕費はある程度見てもらいたい旨を俺は伝え、それは簡単に受け入れられた。
 それで俺はねちねちと精密ドライバーで潰れたアルミフィンを一枚一枚起こしては通風の状態をライトで照らして確認しを延々と繰り返した。
 機械は正直なものでコンデンサーフィンの修復が進むにつれて高圧配管の表面温度は段々下がり始め、結局は30分以内に製氷サイクルが一回終了するくらいのところにまでは持っていくことができた。
IMGP0243.jpg

 なにぶん手作業なので工場出荷の状態にとまではいかないが、運転上問題はない。所要時間がどれくらいだったのかは覚えていないが床にあぐらをかいての作業だったので尻が痛くなった。

 数日してから俺は修理代を集金に行き、もらうものを貰って一区切りをつけた訳だがあれから数ヶ月経ってこの記事を書きながら未だになんだか腑に落ちない気分が残っている。
 2年前にコンデンサーの洗浄かたがたフィルターの清掃やその他あれこれ、俺は結構色々な説明をしているはずなのにその得意先のおばさん達はなぜああいう作為的な障害を引き起こしたのか?
あれこれ考えてもあまり意味がなさそうなのでとにかくこの件はこれで終わり。
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BLIXER 5のモーター分解整備作業(その2) [修理屋から見た厨房機材]

 前回記事のURL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2015-08-27

 過去に痛い目に合っているにも拘らず5万円に目が眩んでの実践編である。

 BLIXER5のモーターは3φ200V、1.5kwのインダクションモーターである。ロボクープのラインナップはお約束としてある容積以上の機種は回転数を2段階に切り替え可能な仕様となっている。
 今回の機種はこれに相当しており,2重コイルで2極と4極の切り替えだから合計6本のリード線が引き出されている。
 リード線自体には相やコイルの表記がない上に同色の被覆が幾つもあるので誤接続を避けるためにモーターを取り外す前に予めリード線がそれぞれどこに接続されているかのマーキングを施しておく必要がある。
IMGP0303.jpg


IMGP0300.jpg

 ケースから取り外したモーター。欧州製品には良くある形状で,カップ状の2分割されたケーシングが前後からヨークを挟み込むようにしてボルトで連結されている。
 このボルトの締め具合が曲者で,緩ければステーターがヨークに通電時の磁力で貼付いてロックするしきつければ軸受けのあたりが強くなるのでこれまたロックする。以前大変苦労して何度もやり直したところだ。輸入元がモーターの分解整備を禁じているのもこの辺りの調整が大変面倒臭いからである。

IMGP0301.jpg

 ステーターを抜き出したところ。毎度ながらどんなモーターであれ,抜き取りの際にはヨークやコイルに傷を付けないようにと神経が張りつめる。
 エンド側のベアリングは特に劣化しているようには見えないが,モーター整備の際には前後併せて交換するのがお約束だ。
 画像では見づらいだろうがステーターの根元近くには外周に沿って溝が切られており,スナップリングがはめ込まれている。ケースを分解する際にはこれをはずす必要があるのだが,一般的にはモーターについていないこのスナップリングが取付けられている意味を正しく理解していないと組み立てた後に大変厄介なことになる。
 実は今回も組み立てに失敗して再修理,再調整となったがそれは後述する。

IMGP0302.jpg

 頭側のケースを裏側から見たところ。ベアリングを交換した後の画像で,錆びて真っ黒に変色した様子が分かってもらえると思う。
 シールの劣化によってモーターケース内に水分が入り込んでベアリングが錆びるのが騒音の原因で,カッターミキサーはほぼ全般に頭側(ということは取付けた上体では上側)の劣化のみが進む傾向があるわけだが、だからといって錆びたベアリングだけを交換という処置は取らないのはモーター整備の大原則だと俺は心得ている。

 モーターの分解もさることながら,今日のロボクープで面倒臭いのはそれ以前,ケースの分解である。
モーターカバーであるケースと底蓋はこんなに長いビスでとまっている。
IMGP0304.jpg

 はずすときは何も考えなくても良いが,組みつけの段になるとケース側の雌ねじにビスの先端が命中する迄にかなり何度も失敗を繰り返し,ストレスがたまる。
 そして画像では見えないが,このビスは頭の形状がトルクスである。要するに製造元はモーターケースを社外の者には分解して欲しくないのだ。今回のように大崩れしたらリプレースしてくれという意思表示だと俺は見た。

 実際,モーターを組んでケースに収め,容器やブレードをセットして試運転を行うとブレードが容器の底面に擦れる不具合があった。
 作業終了時点で午後11時を回っており,当直の職員にも迷惑がかかるので一旦撤収し,日を置いて再訪問して俺は自分の作業ミスの検証に取りかかった。
 
 原因は先に書いたステーターの根元あたりに取付けるスナップリングのずれにあり,何せモーター直近の深いところにあるので正しく溝にはまっているのかが大変分かりにくい。
 文字ではうまく説明できないが,ケースが二分割されているのでいい加減な組立をするとステーターの飛び出し量が狂い(今回でいうと短い)、ブレードや容器をセットしたときの位置関係が狂う。
 スナッップリングを正しく取付けるというのは、この,ステーターの飛び出し量を整えることを意味しているわけだ。

 当初の皮算用は狂って2ストップの修理となってしまったので、儲けも割引となったが確かにこれは5万くらい貰わないと合わないわいと一山越えた俺は達成感とも疲労感とも言えそうな心象の中で思った。
 病院の事務官は禁断の修理が何とかうまくいき、モーター交換費用のとの差額分15万円なりが浮いたのでご満悦のようだが、日頃もうちょっと俺に感謝しろよ!(この項終わり) 
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BLIXER 5のモーター分解整備作業(その1) [修理屋から見た厨房機材]

 これ迄何度か書いてきたように,カッターミキサーの選択肢はクイジナートかロボクープかの二者択一なわけだが、俺の見方としては現地修理が可能なサポート体制をとるロボクープに肩入れしている。

 但し,心臓部となるモーターの不具合については輸入元のFMIもスモールパーツでの供給は行っていない。あくまで完成品としてのモーターでの提供で,これは作業ミスによって(例えばコイルを傷つけて内部ショートを引き起こすなど)起こる障害を懸念しているためと思われる。輸入元だけの考えではなく,製造元も同じようで原文での資料を見てもモーター内部の分解図は存在していない。

 しかしロボクープのモーターは安くない。モーターの交換修理となるとあともう少しお金を足せば新品に手が届くくらいの修繕費となる。
 ロボクープのモーターベアリングがいかれて運転中に騒音が出るのは一般に6年以上経過してからのことが多い。ということはその時点で減価償却は済んでいるので大概の使用者は修理を諦めてリプレースへと向かう。修理に当たる厨房屋にも俺の知る限りカッターミキサーのモーター整備を自分で行う練達はいないので買い替える方向へと誘導していくのがほぼお約束の流れである。モーター交換となった場合には代替品を出して引き上げ,輸入元に送り返すのが厨房業者の一般的な対応ではないかと思う。

いつ頃からだったかは忘れたが,ロボクープにはある時期からカッターミキサーに加えて、粘度の低いミキシングに便利そうなブリクサーとラインナップが増えた。

URL:http://www.fmi.co.jp/products/blixer/index.html

 スムージーのようなものを作るには大変都合がいいのだそうだが俺は調理については素人以下の知識しかないのでそのご利益を正しく理解できていない。俺がここで拙い文章を書き連ねるよりもネット上の動画でも見られた方が遥かに理解しやすいだろう。


整備については仕切り直しというか,モーターの分解は絶対に行わないでくれというアナウンスがあったことは憶えている。白状すると数年前、俺は蛮勇を奮ってロボクープのモーターを分解したことがあり,元通りに組むのに大変難儀した。どうにかこうにか動きはしたが未だに作業手順があれで良かったのかどうか自信がなく、まだちゃんと動いているのだろうかと時折心配になる。
 
 今回手がけたのはBLIXER5というボウルの容積が5リットルのタイプで稼働歴がだいたい十年。実売価格はおそらく30万円弱といったところでモーターの価格は20万を少し切るくらいだから先に書いたようにもう少しお金を足せば新品に手が届く。
 
 俺の得意先には諦めの悪いところが多いような気がする。
このブログに時々取り上げる某国立病院もその一つで、10年ほど前に独立行政法人に移行してからは予算が大変厳しくなった。
 何と言ってもウチは血税で運営されている訳ですから可能な限り安価な解決方法で、と、事務官殿は仰せられた。要するに輸入元が御法度であるとアナウンスしているロボクープのモーターの分解整備にトライしてみてくれないかという訳だ。
 
 袋小路というか板挟みというか、毎度ながらきつい立場に俺は追い込まれる。
こういうときにメーカーなり輸入元であれば建前論の木で鼻をくくったような返事で押し通せるのだろうが、幸か不幸か俺は結構自由度の高い野良犬自営業者なのだから、良くも悪くも胸先三寸の出たとこ勝負が可能ではある、のだが・・・・

 やってみましょう、と決心がついて返事するまでには数日を要した。もしも組み立てに失敗したら潔く交換用のモーターを買ってくれという注文を飲んでもらった上での了解だ。
 この間、輸入元のFMIとは随分色々なやり取りをした。分解はしないでくれというのが公式見解だけあって当然、モーター自体の分解図はないので使用しているベアリングの規格も公開されていない。
 俺はサービス担当にねちねちと掛け合って大阪で一件、モーターや発電機の整備業者が手がけた例があることを聞き出して藁にもすがる思いでそこに問い合わせをし、ベアリングの仕様を教えてもらうついでに手間賃がどれくらいだったのかも教えてもらった。
 「そりゃあ5万かそこらくらい貰わないと合わないわ、あんな面倒くさいものは」というのがその親方の返事だった。
 
 モーターの脱着に伴って交換するシールは千円もしないスモールパーツである。ベアリングは取引のある機械材料屋で仕入れて3千円かそこら・・・・
 もしも上手くいったらこれは結構割りのいい仕事ではないの、と、俺はそろばんを弾いた。それで一丁やってやろうじゃねえかという決心もついた次第だ。とどのつまり、俺のような万年金欠業者のモチベーションを喚起させるの金であって、その力は偉大なものだとあらためて思うぜ、諸兄よ。

(以下、実践編に続く)
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荒ぶる父さん [困った客]

 その得意先がどこだとか,その人物が誰とは書かないことにする。

 仕事仲間からの施行現場から離れられないところに修理の依頼が来て手が回らないのでピンチヒッターのSOSがあってその店舗に初めて訪問したのが先週末のことだ。
富士電機製の冷凍ショーケースが冷えないとのことで,聞き取りの結果ではコンプレッサーが過電流で保護停止しているようだと聞いた俺がその飲食店に到着したのが午後1時頃のこと。

 現場に到着し,車から降りるなり店舗の奥からは物凄くドスの利いた胴間声が響く。
「こらーっ!何で今頃来やがるんだこのバカ野郎が!ウチは2時で帰るんだぞっ!」憤然とした様子で奥から出てきたのは俺より5歳くらいは年上に見える体格のいいオヤジだった。

 頭はてかてかのリーゼント、ハーフスモークのサングラスをかけ、ひげ面、甚平姿のこのオヤジの風貌は何ともベタで、どう見ても普通の人ではない。
 普通でないのは風貌よりもその言動であることを俺はそのすぐ後に知ることになる。

 故障した冷凍ショーケースから食材を出して他に移し替えるのに、その人物の奥さんと思われる方があれこれと立ち働く。それで件のオヤジはというと移し替えの手伝いをするでもなくまるで使役場の看守みたいに物凄いどら声でただがなり立てる。
 こういう手合いの口調によくあるパターンとして、言葉の合間合間に次のような決まり文句が挿入される。
この野郎!

てめえ!

バカ野郎!

 奥さんの行動に機敏さが感じられないことがオヤジにとっては実に腹立たしいらしい。(喚き散らしてないでおまえも手伝えよ、バカオヤジが)と俺は何だか居心地の良くない気分で仕事を続けた。

 奥さんは無言で黙々と立ち働く。
その冷凍ショーケースの故障内容は電磁接触器の接点がいかれてコンプレッサーが単相運転するためか電流保護の停止がかかるというもので,補修パーツが手元にないので後日再訪問となったわけだが、帰る道すがら俺はつくづく運命は結構巧く出来ているものではないかと妙に感心した。
 あの,DV一歩手前みたいな荒々しいオヤジにはちゃんと忍耐強い嫁さんが当たるように出来ているものなのだな。

 それで二回目,補修パーツが届いてから二回目の訪問の際にはこのオヤジの荒ぶるエネルギーは奥さんではなく俺の方に向いて来ることになる。

 電磁接触器の交換自体は格段難しいものではないが,後述するある悪臭に俺は大変閉口した。
そして作業が終わり,試運転が済み,撤収に取りかかっているところに外出から戻ってきた主であるとこののオヤジ殿がご帰還なさった。
 主はハーフスモークのサングラス越しに俺を睨みつけると交換したパーツを見せろと仰る。
傍らに置いてあった電磁接触器を渡すと主は怒髪天をつく勢いで喚く。
「何だこれは!何でこんなもんが三万円もするんだ!ふざけるなよこの野郎!」


 オヤジ殿の台詞を色つきの大きな文字でわざわざ書くのはこの男のどら声の凄まじさを少しでもわかりやすい形で伝えたいと俺は考えるからだ。
 
 俺は主に自分は仕事仲間に依頼されてお伺いしているだけなので請求金額については関知していない旨を伝えるとオヤジはむっとして黙り込み,俺を押しのけて修理の済んだ冷凍ショーケースの中を覗き込むとまた難癖を付け始めた。
 庫内が汚いとオヤジは抜かす。さすがに俺もカチンと来たので別に自分が汚したわけではないと返すとオヤジは修理に来たのなら庫内の清掃くらいしていくのが当たり前だ!と怒鳴りちらした。
「修理するだけなら誰だって出来るわ!」

 そんならおまえが自分でやれよ,と言いたくなりかけていたところに庫内に頭を突っ込んで鼻を蠢かせていた主は俺の方を向いて畳み掛けてきた。
「何だっ!この臭いは!何でこんな変な臭いがするんだっ!おまえ!この野郎!おまえウチの冷凍庫に何やったんだこの野郎!」
 俺はだまって冷凍庫のある場所を指差し,オヤジは憤然としながらそこを覗き込んだ直後,それ迄聞いた中で一番でかいわめき声を張り上げて尻餅をついた。

「何だこれは!!!!」 

 それを画像として収める気にはなれないものが機械室の冷凍機周辺にはごっそりあった。
それはネズミの死骸である。一匹くらいならこれ迄随分見続けてきたので格段驚きもしないのだが,集団自殺よろしく隙間の至る所にハツカネズミの死骸がひしめいている。悪臭の原因はこれらネズミ共の死臭で,庫内の臭いにも幾らかは関係しているのではないのか。

 尻餅をついたオヤジは憮然として立ち上がるとバツが悪そうにこれはあんたのせいじゃねえよな、とぼやき,こうして頭ごなしに怒鳴りちらすから俺は嫌われるんだろうな,と苦笑した。
 まあ確かにこんな高圧的なオヤジは好かれはしないだろうなと俺も思うわ。しかしおっさんよ,俺は別に嫌いではないぞ,あんたのような単細胞な奴が。良くも悪くもわかりやすい奴だが、腹に一物持った奴よりは接していて疲れないのは間違いない。
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訃報が届く [日記、雑感]

 しばらくぶりの再開をこういう記事で始めるのは気が重いが何か書かずにはいられないのも俺の実相だ。

 その人物と在籍の時期は重なっていないのだが,俺の元の勤務先の社員が昨日の業務中、修理先の現場で感電事故により落命した。

 昨日俺の生息地は絵に描いたような猛暑で,俺は何件か重なった冷凍機の修理がなかなかはかどらずに苛立ちながら汗だくで圧力ゲージを睨みつけている最中,後任の営業所長からの電話でそのことを告げられた。

 日付が変わる少し前迄,営業所長と話し込み,こうして帰宅してからキーボードを叩き始めたが,どうも色々な感情が入り乱れで頭の中がうまく整理できずにいる。
 俺はその人物と昨年の秋,スチームコンベクションオーブンの講習会で一緒になった。俺の隣のテーブルに彼はついていたのだった。
 彼の元の勤務先は大手海外メーカーの現地法人で、俺も随分馴染み深い。
親子程も歳の離れた若いサービスマンだったが快活な男で,転職したての意気込みが良く伝わってきて以前の自分を思い出したりもした。
 講習会の休憩時間中に喫煙所で「この会社は柄は悪いし人使いも荒いから大変だぞう」などと冗談混じりに軽口を俺は叩いたのだが,今となっては笑えない冗談だ。笑えるわけがない。

 事故の詳細はよくわかっておらず,断片的なことしか把握できていないが、食器洗浄機の修理先でのこと,分電盤の扉が充分に開かない中で上体をこじ入れるような姿勢での作業中とのことらしい。
 
 こういう事故,ましてや死亡事故となると労働基準監督署のみならず警察迄もが出動する事態となる。彼の亡骸は明日,司法解剖され週明けの月曜日に俺は後任の所長とともに札幌迄お通夜に出かけることにしている。
後任の営業所長にとってはここに転勤してくる数ヶ月前迄の同僚であった男の訃報なので動揺を隠し切れない。

 それで俺はというと身体は疲れ切っているのに何か,言い表しようのない感覚が煮えたぎっているようで目は冴えている。
(言い表しようのない感覚)には勿論、残念だ、とか、悲しいといった感情が含まれているがそれと同じかそれ以上くらいに疲労感や無力感、怒りや苛立ちがある。

 色々書き始めると長くなり過ぎるのでそれは追々機会を見て俺の考えを表明していくとしてここでは結論とか展望みたいなことを書き留めておこう。

 彼はある意味殺されたのだと俺は確信している。

 そして外食産業とか厨房屋という業界は、こういう犠牲を生み出してさえそこからは何も学ぼうとも顧みようともしないだろう。相変わらず他人任せのご都合主義、その場しのぎのお為ごかしを今まで通り繰り返し、若い修理屋を見識を持った技術者として育成しようとはぜずに何でも言いなりになる奴隷や家畜みたいな便利屋として使い潰し、消費しては捨て去ることをこれから先も繰り返す。俺はこれを断言してもいい。俺の怒りや苛立ちとはその確信の深さ、救いの見えない暗さに根差している。
タグ:感電事故
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ネット接続環境が良くない昨今 [日記、雑感]

 手短にいく。
目下、俺の自宅のコンピューター利用環境は危機的状況にある。
このブログもなかなか接続できずに元々ネットに接続することのないwindowsマシンから無理やり書いているものだ.

 俺のパソコン環境はノートパソコン3台で構成されている。
1台は私用のパソコンで、Core i5のMacbook Proで、これは4年ほど前にデスクトップのiMac G5がおだぶつになったので慌てて買い込んだものだ。これは現在、バッテリーがいかれており、カーネルの暴走が起こったりもして近く入院する予定だ。貧乏自営業としては修理代が頭痛の種である。
2台目が同じくMacbook Core2Duoで、これは仕事用に使っており、ブログ記事もこのパソコンで書くことがほとんどだ。実働期間は7年を超えていて、3年位前にバッテリーが変形し、交換した。そろそろ現在のバッテリーもやばそうだ。
3台目が今、記事を書いているwindowsノートで、IBM lenovo X60という化石のようなパソコンだ。購入したのは1昨年で、モーターコントローラーのパラメーターの読み書きやシーケンサーのラダープログラムのために中古品を1万円くらいで落札した。CPU 1GHz,HDD 10GB,メモリは1GB、OSはXP、今となってはお笑い種のマシンスペックだが上に書いたようなアプリというのは必ずしも最新のOSで動作確認を取っていないことが間々あるので俺にとっては特に不都合はない。

 ネットに繋ぐのはMacが殆どで、これはウィルスの感染に対する警戒感がいまだに抜けきらないからだ。
そのマック2台は現在、上に書いたような状況で俺は金のやりくりに頭を痛めている。
 奇妙なことに、こうしてブログ記事を書こうとすると何故かMacからはこのページにアクセスできすにこうしてWindowsパソコンからは何とか繋がる。ブログ記事を書くのは俺にとっては精神衛生上必要なことなので、結構フラストレーションの溜まる日常を送っているのだ。
 
 仕事用のMacをそろそろ新調しようと考えていた矢先にこういう状況になるのは少々面白くない。
Windowsのパソコンを敬遠がちになる最大の理由は俺の場合、MS-IMEというかな漢字変換機能のクソさ加減にある。MacのことえりもクソだがMSのはもっとクソだ。こうしてキーボードを叩いていてもその艇の宇佐加減にはかなりいらいらする。(あえて変換を修正していない)
 思考を中断されずにすらすらと変換を進めるためには例えばこういうものを買い込まなければならないのだろうか。

ATOK 2015 for Windows [ベーシック] 通常版

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  • 出版社/メーカー: ジャストシステム
  • メディア: CD-ROM



とりとめもないことを垂れ流しているが、記事を順調に更新するためにはまだあと少々時間が必要な模様である。以上、近況報告です。

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トルクレンチこそは当てにならない [便利そうな商売道具]

 仕事柄俺には大して縁がないが,エアコンとかヒートポンプの普及が進むにつれて冷媒管工事の作法について色々とややこしい規制が増えてきたのは全く忌々しい話で、工事代やら修理代の請求金額はさっぱり増額が認めてもらえないのに設備投資だけはあれもこれ元必要で実に頭が痛い。

 冷媒管工事に於いて,フレアーナットを扱う道具はモンキーレンチだけで俺はこれ迄通してきた。冷凍機や配管資材のメーカーでは近年,冷媒管のフレアー接続にトルクレンチを用いて締め付けトルクを数値管理する様子称されることが多く,安くはない道具なのでいつか買わなければならないとは思いながらもズルズルと購入を先延ばしにしている。

 ところで昨年,設備資材の問屋でそこの社員からけったいな問い合わせが俺のところに来た。前の記事で書いたがその問屋は水道設備資材が中心で,出入りする設備業者も冷媒管の専門業者がいないわけだが,とある住設屋からエアコンの冷媒配管について、ちゃんとトルクレンチを使って規定値通りの値で締め込んでいるのに冷媒が漏れる。ねじ込み部分にもきちんとシール剤を塗布しているのに収まらないのは何故なのかという問い合わせが来ていてどう答えたら良いか教えてくれというものだ。

 一般に,エアコンに使われる軟銅管はペアコイルと呼ばれ,高圧,低圧それぞれが一まとまりになってこんな管末の状態である。
pc.jpg

 これらは10mで一巻きとなって販売されており,こんなふうになって梱包された状態で問屋に届く。
pc_gaikan2.jpg

 現場ではこの渦巻き状に丸められた銅管をまっすぐに伸ばしてから必要分の長さを切り出して使うわけだが諸兄はもうお気づきだろう、元々断面が真円のパイプを丸めればその断面は歪んで楕円状になる。ついでに言うと丸めた10m分の内周部分は曲率が大きいので歪み方は当然外周部に比べて大きい。
 現場ではその軟銅感の切断面にフレアーナットを差し込んでからねじ込み接続するわけだが,ここで切断面の歪みを取らずにトルクレンチで締め込めば楕円の長辺とフレアーナットの貫通箇所で摩擦が大きくなるから本来的な締め込みの強さ以下のところでトルクレンチの規定値に達してしまう理屈だ。
flare.jpg


 一度歪んだ楕円になったものを完全な真円に戻すことは出来ない。軟銅管は初め,直管として製造されておりその時点では断面は真円を保っているが上に書いたように出荷用に丸めた時点で歪みが不可避的に発生している。
 だからトルクレンチが本来的な有効性を発揮するのは直管の管末をフレアー加工して接続する場合に限られるのであって丸めたなまし銅管の場合には結局,ヤマ勘で規定値以上の締め付けトルクをかけないと接続部のシールド性は極めて怪しいものにしかならない。俺の仕事仲間の冷凍機屋は誰もがトルクレンチについては「あれこそあてにならねえよ」と一蹴した。
 しかしその意義を全く認めていないにも拘らず彼らの車の中にはちゃんと1セット,トルクレンチが積まれている。何故かというと官公庁の建築物での冷媒管工事に於いてその接続にはトルクレンチを用いて規定値での締め込みを行うことが義務づけられており,工事記録の中で規定通りに行ったことを記録しておく必要があるからで,証拠としてフレアーナットの接続にトルクレンチを使っている場面を撮影する習慣があるからだ。

 要するに,何のことはない,俺の仕事仲間である冷凍機屋がトルクレンチを携行するのは写真撮影のためであって現実にこんなものを当てにして作業を行ってなどいないのである,だからその持ち物は特段一流ブランドというわけでもなく,セットで八千円くらいの安物なのだそうだ。鵜呑みにしているのは冷媒管工事の経験値が低い設備業者というわけで,工事の不備で漏れてしまったせいで施主に請求できない冷媒を自分たちの持ち出しで入れ直す羽目になる。はい,御愁傷様!
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