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敢えてアナログテスターの美点を語ってみたい [含蓄まがいの無用な知識]

テスター(回路計)は俺の身体の一部であると言っても過言ではない。
ここ数日,俺は何度かテスターのことを書いた。商売道具のことをこれまであれこれ書いたが,テスターはそのうちでもとりわけ重要なものに属する。

 修理の現場に於いて温度計は別として,何かしら計測器を持ち出して何かを測る。計測値を使用者に伝えてその意味するところを説明する。これは大変重要な場面なのだ。
 ある意味それは,使用者から見て作業労務者と技術者との区別を付ける一線ではないのかとある時からの俺は考え始めるようになった。経験則として,それまで高をくくったような態度でいた使用者の背中が少し丸まって上目遣いになる。設備保全関係の職員の態度が寛大で融和的にになる。電圧なり絶縁なりを測っているところを見せる行為には未だに幾らかはそういう効能はあると思う。
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 あらためてアナログテスターの面構え。LCDではない針式のメーター,ど真ん中に居座るロータリースイッチがアナログテスターのアイデンティティだ。

 どうも見た目の問題として,この,針式のメーターというのは素人さんに対しては何かしら威張りのきくもののようだ。測り始める前にロータリスイッチをカリカリカリカリッと操作して測定レンジを合わせる動作にも『俺は素人ではないのだぞ』というデモンストレーション的効果があるように思う。何だかんだ言って俺はキャリアのうちの2/3はアナログテスターで過ごしてきたので色々と思い入れが深い。

 心情的、感覚的な話だがアナログテスターはディジタルと違って指示値をホールドできないので現場にあっては修理屋の口から出た数字は大きな意味を持つ。
 床に落っことすとメーターの狂いが生じる,うっかり抵抗レンジで電圧を測ってしまい内部の整流回路がぶっ飛んでしまう,直流回路でこれまたうっかり逆接してしまってメーターがいかれるとか扱いに予備知識や注意が必要なところはオートレンジのディジタル一辺倒でやってこられた諸兄にはなかなか理解してもらえない面倒臭さだと思う。

 ある時から胸ポケットにすっぽり納まるカードサイズのテスターが出回るようになり、オートレンジが当たり前のスペックになってから修理屋の見識は確実に堕落した。
 俺は会社員だった頃,部下だの後輩だのには絶対にディジタルテスターを使わせなかった。最初の一台は必ずアナログテスターをあてがうことにしていた。電気という目に見えない物理現象と接することに対して一定の緊張感を持つ習慣を身につけて欲しかったからだ。
 あともう一つには,スケーリングの感覚を鍛えて欲しいという考えがあった。電気という分野の特徴として扱う値の幅が大変広い,というのがある。ロータリーダイヤルの測定レンジとメーターの指示値を頭の中で組み合わせて値を割り出すのとLCDに表示された数字と補助単位記号で値をイメージするのとではその後の実務計算能力に雲泥の差が出てくるのである。これは断言する。

 他にもコンデンサーの容量抜けをチェックする時だとか薄暗い場所で作業する時だとか,アナログテスターがアドバンテージを発揮する場面はまだまだ多いのではないか。こんな事を書いているうちに俺も何か気の利いたアナログテスターを一台,買い直そうかという気分になりはじめている。
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ペン型テスター KEW 1030 を買い込んでくるまで [含蓄まがいの無用な知識]

商売道具であるテスターを巡って色々と忙しいここ数日である。

開業以来使い続けてきた共立計器の Mondel2001、ここ10年近く潰しては買い替えで3台目が爆発したのが四月四日である。

Model 2001の仕様 URL: http://www.kew-ltd.co.jp/jp/products/multimeters/2001.html
イカれた当日の状況:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-04-04

テスターは俺の身体の一部だ。ドライバー一本やレンチ一本であればないならないで何とかしようがあるがテスターがないのはお仕事としては完全にお手上げなんである。

焦った俺はすかさず問屋に駆け込んだ。Model 2001のグレードアップされた新製品が発売されたばかりなので今度更新するときにはそれにしようとかねがね考えていたのだ。

新製品 Model 2012の仕様 URL: http://www.kew-ltd.co.jp/jp/products/multimeters/2012R.html

 厨房屋の仕事ではあまり使う機会はないが,直流電流の測定で2001ではドリフトがひどくて零点が定まらず使い物にならなかったのが2012では押し釦のワンプッシュで零点調整が可能となり動作が安定して実用レベルになった。
 もう一点,ここが最大の売りだが旧機種では平均値表示だったものが2012からは実効値表示となった。よってサイリスタやインバーターを潜った負荷の測定用に別のテスター(クランプメーターも含めて)を用意する必要はなくなった。三千円高価になるが使い道を考えれば充分おつりの来る内容だ。俺の知る限り,他メーカーを含めて1ボディでここまで多用途なテスターは他にない。
 諸兄のうちでこれから一台テスターを買おうと考えている方がおられるのなら俺は断然2012を推す。パソコンと繋いで何かやりたいとか,コンデンサーや半導体の細かい特性を測るために使うのでない限り,ということは強電関係の用途に限定すれば他の選択肢はないと言ってもいいくらいだ。
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 しかし,だ。
 従来機の2001も人気機種であったが新製品の2012は目下,大反響を呼んで流通在庫はまるっきりないのだそうだ。製造元の共立計器ではバックオーダーを山のように抱えて製造が追いつかず、次回の入荷にまで一ヶ月以上かかるとのアナウンスが問屋からあったので俺は大いに焦った。
 幾ら何でも一ヶ月以上もテスターなしで仕事ができるはずなどないので仕方なしに代品を買うことにした。
 店頭には俺がぶっ壊したのと同形の2001があった。2012の機能は俺の他の手持ち計器で代替できるのだからこの際今までと同じものを買おうかと思ったがやはり新製品が気になる。
 フロントの兄ちゃんは2001も未だに売れ筋商品で,製造元の生産体制が新型の2012にシフトしており,現在在庫の2001は一台だけであってこれが売れたら次の入荷の目処が立っていないとのこと。

 俺は葛藤した。
知恵熱を出して思案した挙げ句,間に合わせでとりあえず安物を一台買うことにしたのが四月五日。

その日の状況:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-04-05

 あんちゃんの頃を懐かしみながら一日アナログテスターでお仕事をしていた,のだが。
当然だが間に合わせのアナログテスターには活線電流を測る機能はないので単独でクランプメーターが必要になる。
 クランプメーターについては一昨年,やっとの思いで買い込んだリーククランプが大活躍しており,五年前に買った実効値測定用のものの出番がめっきり減っていた。

当時の記事:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2007-05-19

キューフォーク2300という商品である。
http://www.kew-ltd.co.jp/jp/products/clampmeters/2300R.html

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 俺の作業環境では2001の電流計測機能とリーククランプの間に埋没するような位置づけとなってしまい,しばらく影の薄い時間が続いたがあらためて単体のクランプメーターとして使ってみるとスリムな外形のせいもあって道具箱の収まりがいいし検電器としての機能が大変有り難い。
 クランプメーターは2300を常用とする形態で行こうと俺は考えはじめた。
だとすると注文していた2012とは機能が重複してまた位置づけがややこしくなるし,何せ今は金がないのに加えてブツが届くまでには一ヶ月以上も待たなければならない。俺はない知恵を振り絞って先のことを思案した。

 結果,同じくスリムで道具鞄の納まりが良さそうなペンタイプのテスターであるKEW 1030を俺は問屋に注文して2012はキャンセルとした。いずれ金が貯まったらそのときあらためて購入を検討しよう。

 KEW 1030の仕様:http://www.kew-ltd.co.jp/jp/products/multimeters/1030.html
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 こちらは入荷が早く,本日7日に届いた。発注してから二日後ということになる。
ペンタイプのテスターを使うのは,実は初めてである。何せ身体の一部だからして実戦投入までの間に慣れておかなければならない。
 それで本日土曜日,俺は月初の仕事がたまっているというのにそれはそっちのけでああでもないこうでもないと新しいテスターをいじくり回してあれこれ測っている間に日が暮れちまったのだ。インプレみたいな記事をそのうち書くことにする。

 







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ラーメンの喰い方に関する俺の偏見 [無能社員の生態]

 大体,ラーメンなどという食い物に特段厳格な作法があるわけでもないので食べ方についてグダグダ言うのも阿呆らしい。俺を含めて世の中にはバカが溢れ返っているのだからこんな話題をいちいち持ち出していてもきりがないと言えばないが、ここでは一つ取り上げておきたい。

 ラーメンというのは箸でつまみ上げてからズルズルすすり込みものだとこの世に性を享けて以来およそ半世紀俺は思い続けてきており,よもやそれ以外の喰い方があるとはその時まで考えたことがなかった。
 まあ,箸でつまんですすり込む以外の食い方があったからといってそれで世の中が大きく変わるような一大発見というわけでもない。どうでもいいような、些末なことだ。
 しかし,ラーメンを箸でつまみ上げてすする以外の食い方をしている人物が無能社員だとなると俺にとってそれは決して小さくない意味を持つ。その喰い方とはこういうものだ。

*右手に箸,左手にレンゲを持つ。
*箸ですくった麺を空のレンゲに乗せる。
*レンゲから麺をすする。
*レンゲで汁をすくってすする。

 この挙動を繰り返し,ラーメン丼からは汁と麺がある種の規則性を持って一次関数的に減り続けていくのである。
 好意的に見ればそれはある種,律儀さや理屈っぽさとか神経の細かさを想像させる挙動だ。後日,他の人から聞いた話だとこういう喰い方は自分の衣類や周囲に汁をはね飛ばさないように配慮してのものなのだそうだ。
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画像は本文とは関係ありません


 ラーメンなどという食い物はそんなにお上品な場面で喰うものなのかという気がするし、そもそも衣類だの周りだのに汁が撥ね飛ぶのが気になるのならラーメンでない,もとい汁のない別のものを喰っていればいいのだ。加えて汁が撥ね飛ぶのが気になるのでレンゲに麺を乗っけてすするのだったらその人はそば屋やうどん屋に行ったときには同じくレンゲを店の人に持ってこさせてそばやうどんをレンゲに乗っけてすするのか。俺はその場面を見て以来,ラーメン屋で同じような喰い方をしているたわけた奴を何度か見かけたがそば屋やうどん屋でこういう喰い方をする奴を見たことはまだない。
 ラーメン屋ではある種不文律でレンゲが出てくるからこれを利用するのであってレンゲなどないならないで箸につまんだ麺をすすり,丼に口を付けて汁をすするに決まってる。現にそば屋ではそうしているではないか。
 
 思うにこんな喰い方は,どうせテレビのくだらん食べ歩き番組でどっかの芸能人が衣装を気にしながらやったことをバカな一般大衆がまるまんま鵜呑みにして真似しているのだろう。配慮云々なんていうのは後付けの屁理屈であることが見え見えだ。
 まあ,屁理屈だろうが何だろうが所詮ラーメンだ。別段俺に迷惑がかかるわけでもないし喰いたいように喰えばいいだけの話ではある。

 しかし問題なのは無能社員だ。こいつの仕事っぷりはこれまで何度か書いたように配慮だの注意だのなんていうものはネズミのウンコ程もない粗雑なもので、頭の中には脳味噌の代わりに腐った豆腐でも詰まっているんじゃなかろうかと思えるようなアンポンタンなのだ。ラーメンを食うときに回りに汁を飛ばさないように気遣うくらいの神経がもしもあるのならその神経はまともな仕事をこなす方に回すべきだというのが俺の見方だ。例の喰い方を俺は数年前にある深夜のラーメン屋で,無能社員の挙動によって初めて知った。(当然,ここでの勘定は俺持ちだ。痩せても枯れても俺はあんな腐った野郎に借りなど作りたくはないし対等だとさえ思いたくないのだ)

 俺には認識不足なところがあり,或いはレンゲに麺を乗っけてすするという喰い方は以前から習慣としてどこかの土地では大分以前から根付いたものなのかもしれない。
 しかしそういう事実があったとしてもなお,俺はレンゲにラーメンを乗っけてすする奴に対しては腹の底から侮蔑的な感情を持つ者だ。その喰い方をする人がどういう人格であるかはどうでも良く,無能社員と共通するところのあるその一点だけで無闇矢鱈と頭に来る。きゃつと共通するものは何でもかんでも俺は大嫌いなのだ。という俺の了見の狭さを曝け出してこの項終わり。
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代用品のアナログテスター [便利そうな商売道具]

リード線の被覆がヤバくなりかけていたテスターを誤摩化しながら使っているうちにとうとうショートさせて爆裂現象となったのが昨日のこと。

 http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-04-04

テスターなしでは商売が成り立たないのでお仕事の合間に電材の問屋へと出向いた。
考えてみると細かなハンドツールはもう道具箱が3、4セットできるくらい作業場に溜まっているがテスターは一個きりしか持っていない。

 イカれたテスターは会社勤めの頃から通算して10年近く使い続けている。大体3年くらいで更新しており昨日ぶっ壊したものは3台目だ。
 問屋で後釜を物色したが俺のお目当てのモデルはあいにく在庫切れで入荷の見通しが立たないとのことだった。後釜を思案したが考えがまとまらず,とりあえず何でもいいから安物を一台買うことにした。

 新製品でちょっと気になるものがフロントのカウンターにあったがクランプメーターは既に幾つか持っているのでこれは我慢する。

http://www.kew-ltd.co.jp/jp/products/clampmeters/2200.html

 考えてみると,抵抗と電圧レンジを持ったクランプメーターというのはなかなか気が利いている。

本日のお買い物はしばらくぶりのアナログテスターで主役が届くまでのつなぎといったところ。何しろ安いのですぐに転がった。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%B3-%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%86%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-DAM-500/dp/B002SONREW

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 こうして見るとネット通販というのも大してお買い得ではない場合もあるようで俺の購入価格は二千円を優に下回っている。
値段が値段なだけに貧相なスペックだが外形が小さいのでツールバッグのポケットにすっぽり入るところは都合がいい。

 しばらくぶりのアナログテスターだが取り扱いの注意点を昔に戻って頭に刷り込んでいる。使い終わった後は必ず電圧レンジの高いポジションにロータリースイッチを戻しておくことを習慣づける,とか。

 後釜を手に入れるまでの短い期間だが,しばらく以前を懐かしみながらアナログテスターでのお仕事となる。
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爆発するテスター [お仕事上のぼやき]

タイトルにある爆発というのは実は嘘である。

本日のメニューはFMIからのご依頼で某レストランにてコーヒーマシンの設置工事である。
機種は以前散々手こずったFlesh-Oneだ。

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 単なる接続工事ならちょろいものだが、いざ現場に入ってみるとコンセントは隠蔽箇所で配膳が切られていて死んでいるわ給水は取出しのバルブがどこにもないわでグダグダな展開となった。俺は腰道具をつけて天井裏を這い回り,これじゃあ一体何屋なんだかわかったものじゃない。若い頃に電気工事士の資格を取っておいて良かったわいとは思うがこの労務は追加請求させてもらえるのだろうか。

 この周辺環境の無茶苦茶さは書き出すとひどく長くなるのでここでは詳述しない。
屋内配線の図面がない上にこれまで何度もわけの分からん増設工事が複数の業者によってバラバラになされてきた結果,このレストランの電気系統は錯綜を極めており、どの線がどの開閉器に繋がっているんだかさっぱりチンプンカンプンで大いに手間取った。
 
 それで、やっとこさコーヒーマシンのためのコンセント回路を一つこしらえて確認のために電圧を測ろうとテストリードを突っ込んだその時,バシーッという物凄い音とともに俺の眼前には直径20cmくらいのアークが炸裂し、爆弾スイッチならぬ爆弾コンセントをこしらえたかと俺は大いに焦った。

 一体何年この商売をやっているんだこの俺はと自分がイヤになった。配線を調べるために一度開閉器を切り,短絡箇所を調べようとテスターを持ち出したところさっぱり表示が動かない。
 変だと思っていテスターを調べているとリード線の根元が焼けている事に気づいた。
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 このテスターは買ってから大体3年くらい使い続けてきたものだ。考えて見ると最近、リード線の根元は被覆が裂けて芯線が露出しており,何かの弾みにショートでもしたらイヤだなあ,と心配しながら使い続けてきたのだ。さっきの短絡事故はその懸念が顕在化した一幕,というわけ。

 問屋に聞くと修理は受け付けるが期日がかかるので多くのお客さんは新調してしまうという。いっそのこと俺もそうしようかと考えるがどうして金のない時を狙い済ましたかのようにこういうハプニングは発生するのだろうかと首をひねる今日の出来事である。
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ホシザキ製氷機IM-20L改造機を巡る話(1) [含蓄まがいの無用な知識]

 下に示す画像はホシザキ製氷機IM-20Lを改造したものの背面だ。
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 この機体は某地方のスナックにあったもので,コンプレッサーが焼損しておりリプレースされる際に放出されたもので,俺は入れ替えの工事に行ったときにパーツ取りにでも使わせてもらおうかという条件で頂いてきたのだ。

 本来であれば中古パーツとして抜き取りを終えた後は産廃物として廃棄されるべきこの個体は何故かこうして改造されて俺の手元にある。その経緯は別の機会に譲るとして,今回は技術論っぽく改造箇所について偉そうな能書きを垂れてみる。

 左下部分についているパーツは遠心式の起動リレーとコンデンサーで、俺のいう改造箇所というのはここを指している。
 コンプレッサーはまだ補用パーツがあり,修繕は利く。冷媒はR-134aでありこれも問題はない。現状この機種で問題なのは始動リレーが補修用パーツとしてはないことで,一般論としてコンプレッサー交換の際には始動機と保護装置は一緒に交換するものなので、起動リレーが調達できないということは修理そのものが成り立たなくなる、ここで書くようなインチキ改造を別にすればの話だが。

 近年の冷凍機は段々単純化されてきて単相コンプレッサーの始動コイル切り離しはPTCサーミスタで行うものが増えてきた。家庭用冷蔵庫に使われているものなどは殆ど全てこれ式ではないかと思うが業務用ではあっても冷凍能力からいえば流用が効く範囲なのでパーツの製造や供給は大手電機メーカーに生殺与奪の権を押さえられている。いかな大ホシザキとは言えどもさすがに自社製品用に半導体を製造するところにまでは至っていない。

 この個体がコンプレッサーを焼損させた敬意について考えてみた。
PTCサーミスタの端子に導通がない,というのがその根本原因というのが俺の所見である。
始動コイルに通電されず,回転磁界の形成がなされないため主コイルだけに流れる電流で発熱がドンドン進んで主コイル焼損と相成った。依ってコンプレッサーはパーになり、同形のPTCサーミスタはもうストックパーツがないので必然的に修理不可能、直接サービス担当者から聞いたわけではないが,これが恐らくホシザキのサービスマンの所見であり,その論旨にはどこにも穴はない。

 恥を忍んで白状するが,ある事情(これはおいおい記事にしておく。大変頭に来るクソ客の所行で俺はこんなわけのわからん改造を迫られたのだ)で俺はこの個体を修理することになり,当初,コンプレッサーの交換だけで済むものとタカをくくっていたのだが,試運転の段になってコンプレッサーが起動せず、大慌てで周辺を点検したときにPTCサーミスタの不良を見落としていたことに気づいたので急遽、改造に踏み切ったというのがことの真相だ。

 対処法としては廃却予定のどうでもいい冷凍機から抜き出してきた遠心分離スイッチをPTCサーミスタの代替品として取付けた。当然だがコンプレッサーの端子にはここが始動コイルの端子ですよ,などというご親切な表記はないので端子間のDCRを測って三つの端子それぞれの役割を割り出さなければならないのが頭の使いどころだ。
 当然ながら遠心分離スイッチはPTCサーミスタに比べると物理的にでかいのでコンプレッサーの端子ケース内には収まらずに外付けとなる。
 
 試運転がうまくいった俺は調子づいた。
抜いてきた中古パーツの中にコンデンサーがあったのでコンプレッサーの周辺回路は変更し,始動用コンデンサーとして組み込むことにした。どうせこの先俺しかいじらない機体なのだからもうやりたい放題の何でもありだ。改造箇所は物理的に肥大化するため背面の配管保護用の外装板は外した。

 後付け始動コンデンサーのご利益は大したもので正確な計測は出来ていないが始動電流は推測で2割減り,モーターに優しい回路となったわけ。堂々たるスペックアップだ。(誰にも褒めてもらえないので侘しく自画自賛する)

 そういうわけでこの機体は見事に蘇生して目下絶好調でバンバン氷を作っている、のだが.・・・

 何故その機体は客先ではなく俺の手元にあるのか?という疑問を諸兄,お持ちではなかろうか。
その経緯は長くなるので別の機会に。現時点でいうとこの修繕及び改造はまるっきり俺の持ち出しで一円の儲けにもなっていない。ここで俺の腹の中にはある種の怒りが沸き起こってくるのである。

しかし,幾ら怒ったところで財布の中身が増えるわけではない。糞ブログにかまけていないで仕事仕事!稼がねば。
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業界史上最強のバカを紹介させて頂く(再掲) [無能社員の生態]

 この記事は2009年11月10日に作成し,その後某社よりクレームがついたため一旦削除しましたが、迷惑野郎が被曝環境に飛ばされたことを記念して今回再掲したものです。加筆,訂正はしていません。

 以前告知した通り新しいカテゴリーを設けた。
考えてみればこの程度の生物が俺の後任として配属されているという事は俺も会社在籍時には随分無能な社員だという評価を頂戴していたという事になるのかもしれない。確かに世間に向かって『俺は有能な職業人であるぞ!』などと大言壮語できるほどの資質も実績も俺にはない。しかしだ,幾らなんでもここまで低劣極まりない生命体ではないという程度の自負くらいはあるのだ。

 しばらく前に古書店である本を見つけて買って来た。発売時にはちょっとした売れ行きではあったらしい。

まれに見るバカ

まれに見るバカ




 この本のタイトルを目にした瞬間,俺はすぐさま件の無能社員を連想したのだった。果たして本書の中に書かれている一節はまさに無能社員の本質を看破しているのであった。以下,引用する。

これが全身バカだ ①とにかく自分の事だけしか考えない ②恥を知らない ③自分の正しさを毫も疑わない ④悪いのは全て他人である ⑤一見,もっともらしい言葉を口にする ⑥欲望を我慢できない ⑦自分が助かるためには平気で人を裏切る

 いや本当に,著者は以前どこかでこの無能社員と会った事があるのではなかろうかと思えるほど見事に本質をついている。

 話は変わって俺の棲息する業界には厨房設備士なる資格制度がある。これは国家資格ではなく業界資格でしかない。資格を所持していないからこの業務を行ってはいけないという法規制があるわけでもなく,ただ単に厨房設備について一定の経験と知識を有しているものであるという事を証しているに過ぎない。
http://kitchen23.blog85.fc2.com/blog-entry-28.html

 試験そのものは至って簡単で,事前の講習に出席してさえいれば文字通りバカでも合格できる。現に俺のような低能でさえ一回でパスできた。今から12,3年前の事だ。
 問題の無能社員は幾つかの転職歴があるが合計で約十数年,この業界で飯を食って来た事になっている人物で現在33歳妻子持ちだ。俺の元の職場は社長が工業会の会長を務めていた事もあってかこの資格を取得する事を奨励していた。管理職になるための最低条件が設備士の資格取得者である事であって合格できなければどこまでいってもヒラ社員となる。

 で,この無能社員は今年,この試験を受けて社内の下馬評通り不合格者となった。
業界外の諸兄には想像しづらい事かもしれないがこれは実に驚くべき出来事なんである。繰り返すがこれは俺のようなボンクラでさえ一夜漬けのにわか勉強で一発合格できる程度の水準でしかない難易度なのだ。これまで俺の身辺にいた同業者でこの試験に不合格だった奴の話など聞いた事がない。受験しさえすれば誰でも免状が交付される程度のものでしかないのだ。

 無能社員はこの試験に不合格だった。
後に伝え聞くところによれは、少なくとも今年の受験者中,開催地域に於ける唯一の不合格者がこの無能社員であった。殆ど前代未聞とさえいっていいほどの出来事らしい。社内には『やはりきゃつは筋金入りのバカだったか』と,ちょっとしたセンセーションが巻き起こった。
 
 前後するが試験直後,彼の反応は全くもってバカの面目躍如というべきものであった。
そのとき,その場には俺と,件の無能社員と俺の先輩である現在の営業所長(非常駐)の三名がいた。
無能社員の先天的な知能程度の低さと日常業務に見られる怠慢さとから鑑みて相当に苦戦したであろう事は火を見るより明らかであって,営業所長はその苦戦ぶりを多少の揶揄を交えて笑った。この時点ではよもや不合格であるとは予想していなかったかもしれない。
 無能社員はぬるま湯的な馴れ合いを好む。彼は営業所長を手で制した。まあまあ,とでも言いたそうに無能社員は薄ら笑いを浮かべながら今回の試験問題には引っかけがあったのだ,と弁解した。
 人間,どんなボンクラにでも何か一つくらいは取り柄があるものだとはよく聞く。無能社員の場合,何か一つ取り柄があるとするならそれは話題をはぐらかしてとってつけたようないいわけをひねり出す能力という事になると俺は見ている。
 俺はそのとき,お前の知能程度と怠け癖では間違いなく不合格となるであろう,お前は前代未聞の不合格者となると俺は確信している,と言い渡した。問題が引っかけだったのではない,お前が不勉強で無知だっただけの事だ。恐らく今回の受験者中,いやさこれまで歴代の受験者中の全てのうち,お前は最も低能で,最も不勉強で怠慢な人物である事を俺は確信している。要するにお前は筋金入りのバカだ。しかも困った事に自分のバカさ加減を自覚できない,したくないバカなのだ。だから他の全ての受験者中には特段ひねったところもないような設問がお前には引っ掛けに見えるのだ。お前は試験の出来の悪さを自分の低能さのなせるところだとは思いたくないから設問者の意地悪に話をすり替えたいだけの事なのだ。見ているがいい,恐らくお前はこれまで俺の知る限り厨房設備士の試験に初めて不合格となったボンクラとしてほんのちょっと有名になれるだろう、と言ってあげたのだ。

 無能社員は薄ら笑いをやめ,無表情になって俺をやり過ごした。数年前のベストセラーで言われたところの『バカの壁』がこれにあたる。


バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/04/10
  • メディア: 新書


果たして事実はこのとき俺が予言した通りに推移した。特段設問が彼言うところの『引っかけ』だったわけでなどなく,開催地での全受験者中で無能社員がただ一人、とびきりの、群を抜いた、ダントツの低能児であったにすぎないことが証明された。
 俺はこれまで件の人物について,無能社員,無能社員と連呼して来たがこれは決して個人的な損得勘定に由来する感情論に根ざしてのものではない。俺は全然人格者などではないがそこまで幼稚なエゴイストでもない。その人物を無能呼ばわりするには十分な客観的根拠があるという事を諸兄にはご納得いただける、これは確たる事例たり得ると考えているのである。

 後日談を一つ追記しておこう,その後,この資格試験の事が無能社員との間で話題になる事はない。来年度再挑戦に向けて勉強中であるとの様子もうかがえない。無能社員にとってこの試験に関する一切合切は『なかったこと』になっているようだ。それは取りも直さず,この無能社員が先に記した全身バカの諸条件を完備した体現者である事を表している。
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玄妙なる気分 [無能社員の生態]

しばらく前に、俺が以前大変迷惑を被った大バカ野郎のその後のいきさつについて書いた。

人事の季節に聞く風の噂  http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02

そこで俺はこんな事を書いた。

おまえみたいな害虫以下の迷惑千万な生命体は事故った原発の格納容器の中にでも叩き込まれて被爆死しちまえ!それが貴様の人生の中で行った唯一の社会貢献だ!

言葉のあやのつもりでいたが、実はこれを書きながら俺は少し妙な気分になっているのである。

昨日、仕事の雑用かたがたお仕事仲間の冷凍機屋さんの事務所に午後からお邪魔した。
冷凍機屋さんは業績好調らしく今月はもう仕事をせずに受注は全て来月以降に回すのだそうだ。
全く持ってうらやましい話だ。俺にもちょっとお裾分けしてほしいもんだ。
それはさておき、ちょっとびっくりする話題が出た。件の無能社員には異動の辞令が出たらしい。
最初、俺はきゃつがクビにならなかったので大いに歯がゆい思いに駆られた。転勤で済むとはなんと手ぬるい会社だ!と、腑に落ちないものを感じた。

それで,異動先はどこかと訊ねたところ福島県の郡山市だという。
それを聞いて俺の頭の中のスイッチが切り替わった。その会社はちょっとしたセンスの持ち主ではないか。
 原発の事故後,放射線量などについて色々言われている市町村のうち確か郡山市も入ってはいなかったか。
 郡山市民の方々の被曝状況がどういうものなのかを俺は知らないが,あのバカタレは白血病にでもガンにでもなってとっととくたばってしまうことを切に望んでいる。決して多くはないが世の中には生きていること自体が罪である人間がいるもんだ。

 今日日,福島県に転勤を命じられるというのは暗に退職を促す人事だと俺は思うが,無能社員は文句も言わずに粛々と赴任したようだ。俺の元の勤務先でもそうだったが根性はひん曲がっているし仕事は無能以下のボンクラぶりだがこういう場面での粘りだけは大したものだ。それがあのバカタレの取り柄と言えば取り柄なのかもしれないが,俺は大変執念深い人間なのであのクソッタレ野郎にたった一つとは言え取り柄というものを授けた神を大変呪わしく思っている。
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アンダーカウンタータイプの食器洗浄機考(2) [修理屋から見た厨房機材]

 先日行った某そば屋さんでの食器洗浄機の修理はその後の経過に問題がないため,そろそろ修理代の精算を済ませておこうかと考えている。

 ホシザキの食器洗浄機が営業力頼みではない,マシンスペックが押しも押されもしないだけのものにまで到達したのは俺が今回いじくり回したJW-40TUCあたりからではなかったかと思う。
 以前のエントリーで書いたように,勤め人だった頃を通じて俺にとっての食器洗浄機とはIHIだった。
アンダーカウンタータイプで言うとJMD-3Aに随分力を入れ、残念ながらIHIは食器洗浄機の分野から手を引いてしまったが今でもこれを超えるアンダーカウンタータイプの食器洗浄機は一つもないと断言できる。

以前のエントリーは  http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2009-10-26-1

ishikawajima01.jpg

 少なくとも,俺がそれまで納めたことのあるJMD-3Aは最も古いもので稼働歴20年を超える機体であってもポンプの交換はおろかメカニカルシールさえまだ交換したことはない。嘘でもないが一台もないのだ。一部例外はあるにせよ,ポンプを含めてIHIの洗浄機の耐久性は本当に営業泣かせで一度納めたらまずリプレースなどない。余程のことがない限りその建物を取り壊すまで20年でも25年でも踏ん張り続ける。

 上記のリンク先エントリーでも書いたが
(1)電源仕様3φ200Vのみ
(2)すすぎ用ブースター別置き(しかも別売)
という構成はIHIが頑として譲らなかったものだ。

 今回,ホシザキ製食器洗浄機JW-40TUCの修理で散々手こずり,IHI JMD-3Aが何故そのような構成を取っていたのかがあらためて良くわかった。整備製を損ないたくなかったのだ。裏板を外し,天板を外し,右側板を外さないと洗浄ポンプに触れないJW-40TUCとは違い,JMD−3Aは正面機械室の化粧板を外した後は
 *電装ボックスを外す
 *すすぎポンプを外す
で洗浄ポンプにまで手が入り,恐らくここまでで作業時間としては30分程度で行けるだろう。勿論,正面から全ての作業を行うことが可能であり,洗浄ポンプの交換作業は全部を通じて恐らく,試運転込みで90分を切ることが可能だろうと予想している。

 対してJW-40TUCの場合,正面機械室の化粧板を外した後,
*電装ボックスを外す
*本体タンクのドレンバルブのレバーと取付け板を外す。
*給湯及び排水の配管接続を一旦切り離し,本体をずらして右サイド及びバックスペースを確保
*本体正面上部の操作パネルを取り外す
*天板を取り外す(板金の折り曲げ加工によって引っかかっており,これを外さないとバックパネルが外れない構造!)
*バックパネル取り外す
*右側板を取り外す
*洗浄ポンプの吐出管接続部分のフランジを外す(取り付け時にはちょっとした知恵を労するか,2名で行うかになることを知った)
*洗浄ポンプの吐出管接続部分のゴムホースのバンドを緩めて吐出管のASSYを機体外に取出す。
*洗剤供給用の配管8φくらいのステンパイプを取り外す

という手順を踏む。
 本格的にいじくり回すのは今回が初めてで不慣れなせいもあるのだろうが,今回,俺の作業時間は実に四時間近くを要した。ホシザキのサービスマンであれば手慣れているだろうからもっとさっさとけりを付けるのだろうがそれにしても2時間を切るとはとても思えない。今回のようにフレームの一部切削加工が出れば更に時間が加算される。

 何を言いたいかというと、この所要時間の違いはそのまま修繕費に反映されるということだ。恐らく確実に一万円くらいは違うだろう。
 アンダーカウンタータイプの食器洗浄機の購買者というのは比較的小規模な店舗のオーナーが多いだろうからこの差は結構馬鹿にならないし、修理の所要時間から行っても業務に影響を与えずに済むようなスケジュールの設定が難しくなっても来る。

 違いはこの一万円にとどまらない。
ホシザキに限らず,(三洋電機も同様)アンダーカウンタータイプにしてすすぎ用の貯湯タンク内蔵,ということは機械室部分の実装密度が上がる上にタンクからの輻射熱のため,ゴムなどの高分子系パーツや電装関係の劣化が早い。製造元もここは予見してのことだろうがタンクには断熱用のスポンジが貼付けてあるが10年以上も使用していればこのスポンジが劣化してボロボロになり,熱の輻射量は増す。JW40TUCについてはそれも予見してのことだろうが,すすぎ用ポンプの裏側に排熱用のファンモーターが取付けられているほどだ。しかしこもモーターにしても隈取りコイル型の貧相なもので,さほどの耐久性が見込まれているとは言い難い。

 ホシザキ製のアンダーカウンター食器洗浄機はJW-40TUCからポンプの出力が洗浄用は400W(従来機は250W)すすぎ用も未確認だがそれとはほぼ同等(従来機は未確認だが記憶では150W程度だったと思われる)となり、そのスペックはIHIと肩を並べた。これによってハード的なハンディはなくなりかなりの販売台数をマークできたように見える。
 しかしそれはあくまで初期性能としての話で、経時劣化,耐久性や整備性というところまで推し量ると俺は今でもこの型式には無理な点が残されているように思う。

 こんな事をグダグダと書いてみても全く生産性がない。何だかんだ言ってIHIの食器洗浄機は色々な意味でまずいところがあった。安定度とか耐久性はセールスポイントにはならないという悲しい教訓を残してIHIはこの分野から手を引いたのは事実である。
 俺は心情的に,IHIに肩入れしたい気分なのだが死んだ子の歳を数えるようなもので,これから先天下の石川島が再びこのニッチな分野に再挑戦するとはとても思えない。その後のホシザキ製品はモデルチェンジごとにもっといじり易くなって来ているそうなので、同社の製氷機並みに洗練されたコンストラクションになってくれると俺のようなロートル修理屋にとっては有り難いのだが。(この項終わり)
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アンダーカウンタータイプの食器洗浄機考(1) [修理屋から見た厨房機材]

 先週,某そば屋さんで行った食器洗浄機の修理のことでしばらくぶりに色々と思うところがあったので書き留めておきたい。

 製造元はホシザキ,型式はJW-40TUCといい,製造年度は1994年だから現時点では約18年の稼働歴となる。随分頑張ったもんだ。
 症状としては洗浄ポンプがくたびれており,メカニカルシールがイカれた。それでケーシングから水漏れが起きているのを放置したまま使い続けているうちにモーターに浸水して絶縁不良となった次第。

 どういうわけだか製造元ではなく俺のところに依頼が来てしまい、ホシザキに断りを入れてから現調となった。
 この型式を触るのは初めてだが,内部構造がひどく入り組んでいて分解には大いに難儀した。後でホシザキのサービスマンと話してわかったことだが社内的にもサービスマン泣かせの機種らしい。
2-0528-0702.jpg

画像は本文とは関係ありません


 洗浄ポンプを取出すだけでも大いに手間取ったのだがケーシングを分解してみようとしてフランジボルトを緩め始めると錆びて固着したものが2本あり作業は一旦中断した。
 ケーシングの固定はモーターケースに雌ねじを立ててここにフランジボルトがねじ込まれるわけだが,モーターケースはアルミダイキャストで出来ている。
 経験則としては,アルミダイキャストで錆び付いたとか変形したとかいった場合,うまい抜け道はない。今回のケースでは無理なトルクをかけてボルトを緩めようとするとまず間違いなくボルトはねじ切れて雄ねじ部分がモーターケース内に折れ残る。そうなるともう手の打ちようはない。
 トーチでモーターケースを加熱して膨張させれば固着部分が剥離してうまく外れるのではないかと考えたがケーシングは樹脂製であるためモーターケースからの熱伝導で変形する可能性がありこれも選択肢からは排除された。

 従って不本意ながら,状態としてはメカニカルシールの破損であるが洗浄ポンプを一台そっくり交換する方向性で修繕することに使用者の方にはご理解いただいた。
 18年も使ったのだし本当ならばリプレースを検討して頂きたいのだが,数日前のエントリー記事にもあるようにこの使用者の方もそこそこ年配の方であり,この先数年後にはお店を畳むご予定だとのことで俺の役どころは毎度ながらの終末医療専門みたいな様相である。

 繰り返すが,構造はひどく複雑で,修理作業は難航を極める。おまけに同一使用のポンプはもう製造元が生産終了したらしくホシザキからは代用品としての補修パーツが届いたのだが,これが元々の仕様よりも外寸がでかく,何をどうやっても機体のフレーム内に納まらない。仕方がないのでベビーサンダーを持ち出してフレームの一部を切り欠き,どうにかこうにか納めた。修理というよりも改造に近い。

 そのようにして散々難儀しながらも修理は片付いたのだが、年がら年中この機種の修理を行っているホシザキのサービスマンのことを俺は冗談抜きに物凄く尊敬するようになりつつある。(この項続く)
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