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某社製氷機をインチキ修理で蘇生させる [含蓄まがいの無用な知識]

 インチキ修理の事を書いておく。
俺の出入りする某国立病院はここ数年予算取りが厳しい。ニセ行政改革によって独立行政法人という運営形態にはなったが単なる看板の架け替えに過ぎない。現場の職員の方々だけが割を食って辛い目に遭い,上層部の官僚たちには大甘の構造だ。

 それはそれとして、病棟の製氷機がいかれた。稼働年数は20年にも達しようかという古老である。納入元のペンギンマークの会社は一も二もなく冷媒がもうないからとか、色々理由を付けてリプレースを勧めるために矢の催促で営業をかけまくるのだそうだ(それは商売として当然ではあるけど)。
 ニセ行革以前の国立病院ならばすんなり通る話だったように思うが現状はなかなか厳しいものがある。事務官サイドとしては何としても延命させたい,そしてこういう無理難題はメーカーではなくて俺のような野良犬に持ち込まれてくる事になる。

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 症状としては運転途中に勝手に止まってしまうというもので,俺はそれをマイコン基盤のプログラムエラーと見て取った。(後に一つ見落としがあった事を知る)冷媒管の系統はコンプレッサーの運転電流を拾い出した限りではまだ何とか持ちそうなのでどうにかなるかもしれないと事務官に大風呂敷を広げた。

 問題はパーツの調達で,製造元の某社が素直にスペアパーツを販売してくれるとは思えない。修理先が判明すれば尚更である事は歴然だ。
 作業場に戻って廃却予定のジャンクを漁り,同社製品の廃却予定水冷式の機体から似たような基盤を抜き取った。引き上げ前までは普通に動いていたのだがそのまま実装できるかどうかに問題がある。病院の事務官と相談してみると今年は予算がキツいので俺流で行けるところまで行ってみてくれとのゴーサインが出た。俺にとってはギャンブルの始まりw

 病棟で故障機から基盤を抜き出してしげしげと見比べてみると,ベースである基盤自体は一緒だが実装状態の細部に幾つか違いがある事が判明した。
1:故障機は空冷式のため外気温異常を感知するためのサーミスタがオンボードで基盤から伸びている。(凄い造りだ)
2:ジャンパーピンの設定が異なる。DIPスイッチではなくジャンパーピンであるところはなるべく一枚の基盤の汎用性をなくしてパーツ販売の量を増やしたいという考えだろうか。
3:同じくオンボードのチップ抵抗の仕様箇所,及び抵抗値が異なる。

作業としては
1は元の基盤より外して移し替え
2は元の状態に似せて既存ジャンパーの切断と新規ジャンパー線の取り付けでおわり
3はさすがに同じ値のチッップ抵抗は持ち合わせがないので一旦作業場に取って返し,ゴミ箱の中から通常のカーボン抵抗を漁った。さすがにチップ抵抗に比べるとでかくてそのまま基盤上には取り付けられないのと同じ値の物がないのでシリーズにして大体同値となるような組み合わせを捻り出してややアクロバチックな実装となった。こういうところがギャンブルなのだと改めて実感する。

 現場に取って返して試運転を行うとそれまでがウソのようにすんなりと運転し始めた。その後が気になるので請求は一旦保留とし,半月くらい様子を見てくれと言い残して俺は失せた。
 一週間ほど経ってから,一度誤動作があって途中で運転が止まったという連絡が事務官からあった。請求を保留にしておいて良かったと思いながらあちこち調べると貯氷検知のスイッチがおかしい。オン状態であるにも拘らずDCRを測ると30Ωくらいの抵抗値を持っている。製氷機は四半世紀にもわたっていじり続けてきたが初めて接する出来事だ。
 スイッチは基盤に接続されているので何か演算上に問題が出ている可能性はある。手持ちの中古良品に取り替えると誤動作が止んだ。

 そんなわけで俺のインチキ修理は功を奏し,ひとまず問題はクリアした。何か魔法使いのように見られて得意先に有り難がられる気分は悪くないが金にはならない。何せ実稼働23年なのだ。誰が更新を薦めたっておかしくない。俺が某社の目を盗んで病院を説き伏せてサンヨーなり大和冷機なりの製品に入れ替えても勿論誰に文句を言われる事もないのだ。それを一体,何が悲しくてこんなややこしい作業をしているのか。
 世の中変わるものだと改めて思うのは、国立の医療機関が俺のような裏街道の修理屋を抱え込んでこのような裏技がかった修理を行う点だろうか。必ずしも税金の全てが安易に無駄遣いされているわけではない。少なくとも現場レベルでは無駄遣いを抑制する努力はなされている事は知っておいて頂いても良いのではないか。
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cyberterro

そうそう!ホシザキってそんな感じ

by cyberterro (2016-07-20 10:06) 

商品開発

コストと品質を重視し、小ロット輸入でも個人でも新商品の開発と商品の仕入れができます。対応できる分野も様々なので、何かありましたらお気軽にご連絡ください。
http://www.cgksupply.com

by 商品開発 (2017-07-07 17:24) 

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