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バカンスのあおりを食う [お仕事上のぼやき]

残暑が厳しい。お盆を過ぎればいきなり涼しくなる土地柄だが今年は一向にそんな気配がない。
よって,俺のお仕事も瞬間風速としては忙しい。実入りが伴ってさえいれば忙しいこと自体は悪いことではない。何せ8月は休みが多いので例年売り上げは凹みがちだ。稼がねば!

 と、意気込み加減のここ数日,FMIより修理依頼があり,某アイスクリーム製造業者のところでお仕事となった。
 内容はパステライザーの絶縁不良とのことで,良くあるヒーター不良かとタカをくくっていた俺は現場で青ざめる。
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画像は本文とは関係ありません。


絶縁不良の原因はコンプレッサーにあった。
絶縁抵抗値は0.04MΩと絶望的な数値だ。運転させて接地線の電流値を調べてみると33mAを確認した。ELBの定格不動作値は50mAだから結構きわどい数字だ。運転状態によっては感知領域に入っているのかもしれない。
これまでFrigomatのパステライザーをいじり続けていてコンプレッサーのトラブルは実は初めてだ。現行品の一つ前のモデルまではごつい半密閉式が乗っかっていてそれはそれは頼もしい造りだったのだが。

 現場からFMIに連絡を入れて相談となった。
案の定,コンプレッサーの故障事例はこれまで殆どないため恐らく補修品の国内在庫はないのではないかという厳しい見通しが返ってきた。

 仮にイタリア本国に問い合わせてみてもあいにく今はバカンスの真っ最中だ。工場はもぬけの殻で問い合わせが出来るのは来月半ば以降,仮に本国に在庫があったとしても出庫は10月で,送付方式は船便で,などということになったら届く頃にはこっちはそろそろの冬の入り口になりかねない,とんでもない話だ!

 先に書いたように今年は残暑がなかなか厳しい。おかげでアイスクリームの売れ行きが良く,明日から増産体制に入りたいので何とか短期で解決できる方法を考えてくれ!と使用者からのプレッシャーがなかなかきついので俺はない知恵を絞って考えた。
 
 その後の輸入元との協議で明らかになったことだが,問題のコンプレッサーは既に本国でも補修品のストックを持っていないらしく、ここで完全修復の望みは絶たれた。使用者は痺れまくって空中放電を起こしそうな緊迫感が現場に漂う。

 非常にギャンブルめいた可能性を使用者はここで提示した。汎用冷凍機のメーカー,例えば三菱なり三洋なりのコンプレッサーとの換装はできまいかというもので、頭痛がしてきそうな話だ。
 FMIによれば国内での正式な修理事例はないとのことで非公式に,ということはFMIの責任範疇外の使用者自己責任で改造例が一件あったかなかったかとのはなしだ。

 この事案はFMI本社技術部との間で改造の可能性について協議中である。本日,三洋(現パナソニック)せいのコンプレッサーで近いスペックのものが候補として示されたのであさって現調のため出向くことになる。毎度ながらなんだかババ抜きのババを引いている感覚に襲われる。
 仮にこの改造がうまくいったら,俺は正式にはFrigomat製のパステライザーのコンプレッサー改造を行った日本で初めての修理屋ということになるのだそうだが,こんな裏小路だか袋小路の仕事で国内初とかいってふんぞり返ってみても商売上その先格別いいことがありそうにも思えない。

 丸暗記の繰り返しでダラダラと稼ぐ日々を夢見て入るが現実はそういうわけに行かず,いつも切羽詰まった暗中模索ばかりが姿を変えて襲いかかってくる。通り一遍の修理ではないのだから一発特別加算でも請求したいところだがそんなに甘くはないだろうな。
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コメント 5

007

ダメ元で・特別料金・をカマセテみたら如何でしょう?、、、

可能性はゼロではないはず(謝)、、、。
by 007 (2012-08-23 06:37) 

007

昔、洋食料理人が言う処の「アイスクリーマー」と呼ばれる外国製機械のベルト交換をしました、、、
まるで「知恵の輪外し」のような脱着作業でした、専門外故かもしれませんが、
外国製の修理は難しい印象です。
by 007 (2012-08-23 06:51) 

くるみ

日本初!!とゆう事は、必然的に世界初!!とゆう事では(^-^)b♪実入りが期待出来ないのは残念ですが、すごい事だなって思います(^o^ゞ
by くるみ (2012-08-24 07:10) 

HarryTuttle

007様、コメントありがとうございます。

 輸入機械の修理は概して難しいというか、ある種のコツを要する場合が多いように私は日頃考えています。
 それはある意味、家電製品を扱う時の作法と共通しているようにも思えます。

 一歩踏み込んでいうと、「その機種の講習を受けた人」でないとすんなりいじくり回せない設計、と受け止めています。
 冷菓関係の機器類は圧倒的にイタリア製が優勢ですが、カルチャーギャップを感じる事が多いですね。私としてはせめて英語表記の配線図をつけてくれよ!と思える場面が多々あります。
by HarryTuttle (2012-08-27 19:57) 

HarryTuttle

くるみ様、いつもコメントありがとうございます。
「すごいこと」を行う機会は、実はなくなりました。経緯については後日記事にしておこうかと思いますが、悲しい事にこの手の「すごいこと」を必死にこなしても商売の上では何のプラスにもならない事ばかりなので、これは負け惜しみではなく、今はすっきりした気分なのですよ。
by HarryTuttle (2012-08-27 20:01) 

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