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『西洋料理六十年』を読む [日記、雑感]

 この記事は11月の始め頃,風邪をひいて寝込んでる最中に寝床に潜りながら書いた。

 歳のせいか一回風邪をひくとなかなか治るには時間がかかり,仕事の内容も押さえ気味になる。
寝床に潜り込んでじっとしていても退屈なので,腰を据えて本でも読もうかと以前から気になっていた田中徳三郎氏の自伝を古書で探し出して取り寄せた。


西洋料理六十年 (1975年)

西洋料理六十年 (1975年)

  • 作者: 田中 徳三郎
  • 出版社/メーカー: 柴田書店
  • 発売日: 1975
  • メディア: -



 俺が勤め人だった頃,会社にはコーポレートシェフという役職の方がおり,クッキングデモ(機材を使っての講習会の講師)やルセットの作成をお仕事にするわけだが,俺が良くして頂いたある方は東京會舘出身で,ここで取り上げる田中徳三郎氏のもとで長く働き,丸の内のパレスホテル開業に際して田中氏に付き従う形で移動し,後にパレスホテル大宮の料理長としてその経歴を締めくくった。

 在社中,そのコーポレートシェフから断片的に伺っていたことを近年,体系的に自分の中で構成してみたい気になっていたわけだがネット上の情報は何とも断片的であり、散漫で、調理師の間での神格化されたといってもいいくらいの評価と一般人への知名度に於いてこれくらい激しいギャップのある方もいないのではないか。
 その功績を上げるときりがないが,強いて幾つか取り上げればある意味,フランス料理を西洋料理のカテゴリーから独立させた立役者であり、テレビ電波に登場し,レギュラー出演するようになった最初の料理人といったような、「●●を●●した初の日本人」という肩書きをごっそり持つ方が田中徳三郎氏なのだそうだ。

 本書については自伝と書いたが,必ずしも時系列的に整理された読み物にはなっていない。書き下ろされた回顧録としての箇所とリアルタイムで書かれた紀行文のような箇所,雑誌や社内報などに寄稿された短いテキストが混在しており,正直なところ一冊の本としては寄せ集めのような印象がないでもない。
 しかし何と言っても著者が著者であるだけに内容は深く重い。「日本の西洋料理の歴史」のインサイドストーリーみたいな出来事が何気なくさらっと一行で書かれていたりする。

 本書を読んでわかったことだが,料理人列伝みたいな記事で取り上げられる内海藤太郎氏に関する記述は殆ど全て本書からのコピペである。

 俺にとっては肩すかしというか物足りないというか,そういう点がなくもなく、それは渡仏留学していた約2年間オーギュスト・エスコフィエの元で師事していた時期の記述が大変少ないことなのだが,恐らく知識や技術の習得に没頭していて日記を付ける暇さえなかったということではなかろうかと想像している。

 読後あらためて思うのは,超一流のプロフェッショナルになる過程でその人は必ず偉大な指標となる親方に巡り会って散々しごかれる時間を経験するものだという人生の鉄則とも言えそうなことで、分野を問わず共通しているのではないだろうか。
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くるみ

前後して 更に後れ馳せながらのコメントになります(^^;。 そうですね、何年働いたかよりは、どんな環境で誰の元で働いたかが重要ですよね。良い上司に恵まれた方は、後に自身が良い上司に成り得るのでしょうね(^-^)。お仕事に関わらず 本を何冊読んだかよりは、どんな本を読んだかが 人格だったり、人生の潤いに重要ですよね(^_^)。
by くるみ (2016-02-03 18:51) 

小口輸入

コストと品質を重視し、小ロット輸入でも個人でも新商品の開発と商品の仕入れができます。対応できる分野も様々なので、何かありましたらお気軽にご連絡ください。

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by 小口輸入 (2017-07-12 17:53) 

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